認知症の人に、できることは自分でやらせる。
それは本当にそう。大事なことです。
何でも代わりにやってあげると、認知症の症状が進んでしまいます。
さらに「自分は一人では何もできないんだ」と思った認知症の人は無力感を感じることでしょう。
かと言って、できなくなりつつあることを無理にやらせるのもいけません。
わたしの母は、認知症の症状が進んできた父に銀行に振り込みに行かせたり、買い物を頼んだりしていました。できなくて帰ってくると、また行かせるのです。
「できることが減ると困る」と母は考えていました。
認知症の父は、できなかったことは忘れてしまうでしょう。
しかし。
できなかった時の感情。
できなくて帰った時の家族のがっかりした顔を見た時の気持ち。
これらは感情と強く結びつくため心の奥に積もっていきます。認知症の人は、感情は覚えているものです。特にネガティブな感情は。
できなくなりつつあることを無理に一人でやらせるのは、本人にネガティブな感情を蓄積させ、劣等感を植え付けてしまいます。
それは「できることをやらせる」とは、ちがうのです。
- 何ができるかの見極めをすること
- どうしたらできるのか
この二つを考えつつ「一人でできた」と思わせるように、さりげなくサポートしてあげるのが大事だと思います。
