父がお昼にパンを買いに行くと言うので、ついて行きました。

 

すると、道すがら老婦人が、

「あら、◯◯さん!」

と父に声を掛けました。

 

父は、

「ああ!どうもどうも」

と応えます。

 

老婦人は隣に立っていたわたしに、

「娘さん?」

と尋ねました。

 

はい、と答えると、

「◯◯さん、お元気なのね」

と言われました。

 

父は一人で先に進んでしまったので、老婦人とはそこで切り上げて父を追いました。

 

「今の人、知ってる人?」

と一応聞いてみると、

「さあ、誰だったかな?」

と父。

 

やっぱりね。

 

父は相手が誰かわからなくても、表面上取り繕うのはとてもうまい。