いつもはわたしより早く起きて身支度を始める父が、なかなか起き出さない日がありました。
「体調悪いの?」
と聞いてしまったわたし。
たぶん、体調が悪いわけではないのですが、悪いのかと言われれば父は悪いと答えてしまいます。
案の定、
「何か悪い気がする」
と答える父。
娘「どこが悪いの?」
父「歯がよくない」
歯?
続けて父はつぶやきます。
「人体改造しないと。身体を造り変えないと」
うそ、人体改造するの?
歯が悪くて人体改造?
父「閻魔様に追い返されちゃう。役立たずって言われて」
娘「閻魔様には追い返された方がいいんじゃないの?受け容れられたらあの世だよ」
父は聞く耳持ちません。
父「地獄の軍大将をやっつければいいんだ。やっつけて頂点に立てばいいんだ」
地獄の軍大将って何?誰?
頂点に立つって地獄の?
閻魔様に役立たずと言われて追い返されるのを不名誉に感じているようなので、父は地獄に再就職希望なのかもしれません。
地獄に就職したら、マンガ「鬼灯の冷徹」みたいな感じでしょうか。