10月31日はハロウィーンだとテレビで言っていたので気になったのか、父が「ハロウィーンって何だ」と聞いてきました。
わたしは「幽霊が来るんだよ」と答えました。

 

 

父は前に幽霊の話をしていたので(作話でしょうが)
「お父さんは幽霊を見たことがあるんでしょう?」
と問うと、
「幽霊は暗いところに出るんだ」
と父は言い、
「暗くなってからおつかいに行くとえらいねえと褒められたもんだよ」
と話が逸れました。
 
「他のきょうだいたちは行きたがらないけど、おつかいに行った先でもおみやげがもらえるからさあ。おれも子供だから行った先で『おみやげちょうだい』なんて言うの」
と父は話を続けます。
 
「それで年末が近くなると、親戚が集まって宴会みたいなことをするんだよ。そこに子供が紛れ込んだりするの。それでおれの大事にしてたものを人にあげちゃったりしてさあ」
 
そんなことあります?
疑問に思っても、父が気持ちよくしゃべっているのだから続けさせよう。
 
「『それはおれのだからあげちゃやだよ』と言うんだけど、『だったらもっといいものを買ってあげるよ』とおばあさんが言うから、『じゃあ今からでも買いに行こうよう』って言うの。そうすると『もう遅いから明日にしよう』って言われちゃうのよ」
 
「それで、明日になっても行かないんでしょ?」
とわたしが言うと、
「そうそう、そうなんだよ。でも、後から言い出すのも何か申し訳なくてさあ」
 
ハロウィーンが何かと聞かれただけのはずなのに、脱線した話で随分盛り上がる父なのでした。