散歩に行った際、父が言いました。
「何もないのに左耳がパタパタする」
「耳垢が溜まってるんじゃない?」
と返すと、
「じゃあ、帰ったらあんた掃除してよ」
と言います。
しかし、その後に
「医者でもない人に耳掃除を任せるのもなんか怖い感じね」
とも言うのでした。
「じゃあ、自分でやるしかないよ」
とわたしが答えると、
「そうだなあ」
と父は笑いました。
夕飯後、いつもの歯のお手入れを終えた後に、
「お父さん、耳掃除してくれって言ってなかった?」
と声を掛けると、やってくれと言います。
横向きに寝てもらい、右耳を見ると大きな耳垢、というより皮膚がまるまる耳垢みたいな。耳垢が二枚目の皮膚みたいな。
これはもうゴリゴリ削りたいのですが、過去にゴリゴリ削って、
「痛い!もうやめて!」
と父に言われたことがあるので慎重に取り組まねばなりません。
その時は血も出て、
「あ、血が出た。ごめん」
と言ったら、
「そんなひどいことしたの⁈もうやめて!」
と怒られてしまいました。
耳掃除、むずかしい。
今回はちょっとずつ剥がすように、押したり引いたりしながら。そして「痛くない?」と声を掛けながら慎重に掘り進めました。
かなり大規模な発掘調査になりました。全てとは言えませんが、大物が掘り出せました。
反対の左耳を見ると、こちらは大物はおりません。
パタパタするって言ってたのに。
しかし、細かい耳垢がたくさんあります。
「これは耳かきより綿棒がいいのでは?」と考え、綿棒とワセリンを用意しました。
綿棒にワセリンをつけて、耳の中や外をぬぐうのです。
「綿棒が2本あれば十分かな?」と思っていたのですが、綿棒を使っても使っても足らず、大量の綿棒を使った結果、父の耳は気持ちいいぐらい綺麗になりました。
今回は、父に痛い思いをさせずに満足いくまで綺麗にできたので達成感があります。
ちなみに、綿棒にワセリンをつけてお手入れをするのは「犬の耳は、脱脂綿などにベビーオイルをつけて掃除するとよい」と本で読んだのを思い出してやりました。