父の記憶が曖昧なようだったので、母の写真を見せながら、
「これが(父の名前)さんの奥さんでしょう」
と説明していました。
(「お父さん」と言ってもピンと来ないことがあるので、その時は名前で呼びかけています。)
父は、
「ええっ!」
と驚きました。
「俺には奥さんがいたの?一人ものだと思っていたよ」
と言うのでした。
その割に、わたしがお風呂に入っている時。
台所で冷蔵庫を開けた父が、
「おーい、母さん。牛乳飲んでくれないと、いっぱい余ってるよ!」
などと大声で呼びかけてきます。
家の中で人の気配があると、母だと思ってしまうみたい。
そして、父の記憶の出し入れにはムラがあるのがよくわかります。