午前5時。
父が起きてトイレに行きました。それに気づいて目が覚めたわたしも、父の後にトイレに行きました。
トイレから戻ると父が、
「どうしたの?」
と聞いてきます。
「トイレに行ってきただけだよ」と答えて再び寝ようとすると父が「ちょっとこっち来て」とわたしを呼びます。
眠い目をこすりながら父のところへ行くと、
「手がピリピリする」
といつもの訴えが始まりました。
マッサージすると落ち着くようなので、いつものように手から腕にかけて揉みました。
父は、
「昨日、近道しようと思って野菜畑の中を通ったから、野菜のつゆがついたんだよ、きっと」
と言います。
野菜畑なんて通ってないし、野菜のつゆって何?と思いつつも口には出さず、
「何の畑だったの?とうもろこし?」
と聞いてみました。
父は、
「いろんなのが植えてあるんだよ。農家の畑じゃないんだ」
と言います。
「家庭菜園かな?」
「そうだよ」
そんな話をしながら、腕をマッサージしたら父の気が済んだようなので、寝床に戻ってもらいました。