いつものようにうたた寝をしていた父が、ふと言いました。

 

「外でいろんな鳥が鳴いているけど、あんまりいい声じゃないのもいるなあ」

天気がよく風が気持ちいいので窓を開けていました。確かに鳥の声がよく聞こえます。

 

「親の真似をするんだろうから、これからうまくなるのかなあ」

と父は言います。

そうだね、うまくなるといいね。

 

「鳥にも学校があるのかなあ。人間の学校より、鳥の学校の方が面白いとなったら大問題だよ。小学校、中学校とあるんだろうなあ」

と、鳥の学校について想像しています。

 

「森の中には、鳥の大親分というのがいるんだろうなあ」

「鳥に一時間だけなれるといったらどこに行こうかねえ」

などと言ったかと思ったら、

「鳥になったら待遇をよくすると神様に言われても、鳥にはなりたくないなあ」

と言います。

 

「鳥になったら、長生きできないんじゃない?」

と返すと、

「そうだ。鳥になったら長生きはできないなあ」

と言って父はまたうたた寝に戻りました。

 

新しいことを記憶したり、過去のことを思い出すのは難しい父ですが、色々想像して楽しめるのはいいことですね。