認知症関連の本を読みました。
 
認知症の人がパッと笑顔になる言葉かけ 右馬埜節子

 

内容的には、介護職の方向けですが、認知症の人にどう声がけをしたら笑顔になるか、マンガやイラストを多用して説明してあり読みやすいです。

家族でも応用できる内容だと思います。

 

足し算、引き算の発想というのも、認知症介護をする人の助けになると感じました。

 

著者のいう「引き算」とは、正しい理屈や価値観をいったん脇に置いて、認知症の人の見ている世界に合わせた声かけをすること。

 

例えば、

「メシはまだか」

と言われた時に、

「さっき食べたでしょ」

と返すと、それが事実であっても認知症の人自身は不安になってしまい、混乱します。

 

認知症の人の見ている世界に合わせて、

「今作ってるからちょっと待って」

と言う。

これが著者のいう「引き算」の声かけ。

 

嘘をつくことになるわけですが、これは認知症の人を守るためであり、悪いことではないと。

 

長期のショートステイ利用の場合でも、短めに伝えるのがよいとも書いてありました。

父がショートステイに出発する前は、実際より短い期間で行くと父が思い込んでいて罪悪感があったのですが、それでよかったんだと安心しました。

 

一番大事なのは、事実を理解させることではなくて、認知症の人が不安にならないこと。おだやかに過ごすことなんだなあと感じます。