ある日の午後、座椅子にぼんやり腰掛けていた父が急に言いました。
「俺は、頼れる親父。頼れる兄貴。そうあるために、これからでも頑張らなくちゃ」
頼れる親父、頼れる兄貴でいたいんですね。
さて、父がショートステイに行く前日。
ショートステイに行くことを告げると、行きたくないとは言いませんが、行くことに不満そうでした。
なので、
「お父さんは故郷にいた頃、長男としてみんなに頼られたでしょう?この家でも、頼りになる父親としてお母さんやわたしを支えてきたでしょう?(ショートステイ先)に行っても、みんなに頼りにされるよ」
と言ってみたところ、頑なになった心が少し緩んだようでした。
父が自分で「その通りだ」と思えることを交えるのが説得のコツなのかもしれません。