母が入院したばかりの頃、父は繰り返し「姥捨山」の話をしました。
姥捨山とは。
うばすてやま(姥捨て山)は、棄老伝説に材をとった民話。大きく「枝折り型」と「難題型」、それらの複合型に分けられる。法令、口減らしなどのために高齢の親を山に捨てることとなった息子と、その親の物語である。
(Wikipedia「うばすてやま」より引用)
父は、自分の無力さを感じて、捨てられてしまうと感じたのでしょうか。
母が入院して数日は「認知症の父には何を言っても無駄だ」と考えたわたしは「お母さんは出かけている」などと嘘をついていました。
わたしのそういう態度のせいもあったのかもしれません。
母の入院から半年以上経って、父は母が入院していると認識できることも増えました。
もちろん、忘れることもあります。
姥捨山の話は、もうしません。