わたしが小さい頃。

 

わたしが母に叱られて泣くと、父は夜の公園に連れ出して、機嫌が直るまで遊んでくれました。

 

休日に家族でお出かけして、歩き疲れたわたしがぐずると、父はおぶってくれました。

 

わたしが補助輪を外した自転車に乗れるように、父は練習につきあってくれました。

 

土曜日は、本が好きなわたしのために父が図書館に連れて行ってくれました。

 

父はもう、一つも思い出せないでしょう。

でも、わたしが覚えてる。

 

わたしも忘れてしまっても、父と過ごした日々がわたしをつくってる。

わたしと過ごした日々が、父をつくっている。

 

 

父がやさしくしてくれた記憶があるから、わたしも父にやさしくしたいと思います。