元気だった頃の母に聞いた話ですが、かつて父が繰り返し話していたエピソードがあります。
むかし、わたしが小さい頃。
父は、泣いているわたしをおんぶして犬の散歩をしたと、繰り返し母に話したそうです。
わたしが小さい頃、母に怒られるなどして泣いていると父が外に連れ出すことがよくありました。
おぶって歩いてくれたことも多々あります。(主に出かけて疲れると「お父さん、おんぶ!」とねだる)
泣いている時におんぶしてもらったこともありました。
犬を飼っていたこともあります。
わたしが飼いたいと言い出した犬ですが、わたしが家を離れてからは父が散歩をしてくれました。
でも。
わたしが小さい頃に犬は飼っていないのです。
犬を飼っている時には、わたしは父におんぶされるような年齢ではありませんでした。
現実とは違う記憶。
父の中で、幸せな記憶が混ざって生み出された記憶なら、それもいいかなと思いました。