最近の父は「もの忘れをしている」という自覚があるようです。

 

 

 

深夜、起き出してメモに「忘却注意」と大きく書いていたこともあります。

 

「俺はどこかおかしいのか」と聞かれるたびに、もの忘れ外来でもらった画像診断結果を見せて、説明しています。

 

「過去に小さな脳梗塞を起こした形跡があって、そのせいで時々頭がぼーっとしたり、思い出しにくくなったりするみたいだよ」

と説明すると、父が言いました。

 

「原因はわかっているんだよ。むかし、歩いていたら他の人が持っていた材木が頭にあたっちゃったんだ。その時、相手は謝って、病院に行きましょうと言ってくれたんだけど、俺は大丈夫だからと言って病院には行かなかったんだよ」

 

へえ、そうなんだ。

それは大変だったね。

などと相槌を打ってはみましたが、たぶん作話です。

 

現実に起きたことだろうと、作話だろうと、父の中ではそれが真実なので、現実にあったこととして対応するのがよいです。