ショートステイから帰宅した日。

父は珍しく21時を過ぎても起きていました。

 

21時半を過ぎて布団を敷き終わった父。

寝巻きに着替えて寝るのかなと思っていたら、

「30秒だけ散歩してくる」

と言って外に出て行ってしまいました。

 

まだ寝巻きには着替えていなかったので、止めはしませんでした。

30秒だけと言うし、家の前まで出て戻ってくるかなと窓から見守りました。

 

しかし、窓から見守れる範囲を超えて歩いて行ってしまったので、取るものもとりあえず追いかけました。

 

父の歩く速度はそれほど速くないし、向かった方向はわかっていたし、見通しのいい道路なのですぐに見つけられるだろうと思いました。

 

とは言え、すぐに追いかけるべきだったかと内心焦りつつ歩いていると、父がのんびりと正面から歩いてきました。

 

「何か面白いものはあった?」

と尋ねると、

「何もないよ。ご心配をお掛けしました」

と父。

 

「猫が飛び出してきたでしょう」

と、窓から見えた光景を口にすると、

「そうだそうだ。猫が飛び出してきたよ」

と嬉しそうに答えました。

 

父は家の前まで戻ってくると、

「これで今夜はよく眠れそうだ」

と言いました。

 

ショートステイ中では外に出られないだろうから、家にいる時は自由に外に出てもらいたいのだけど、夜に出て行くのは少し心配。