ショートステイから戻ってきた父。
「ここは何人家族だ、誰が住んでいるんだったか」
と尋ねてきました。
母が入院してからよく聞かれます。
いつも写真を見せながら、こう答えていました。
「いつもは、お父さんとお母さんの二人で住んでいたけど、お母さんは今、入院しているの。だから、お嫁に行ったわたしが、お父さんのお世話をしに帰ってきているんだよ」
でも、ふと気づいたんですよね。
父の問いの意味に。
父が本当に聞きたいことは、家族の人数や誰が住んでいるかではないんじゃないかと。
父が本当に聞きたいのは、「あんた誰?」ってことかもしれないなって。
ストレートに「あんたの名前は何だったか」と聞いてくることもありますけど。
父の問いには、
「今は(わたし)ちゃんとお父さんの二人だよ。お母さんは入院してるからね」
と答えることにしました。
わたしはここに住んでいるわけではない。
わたしの生活のベースは、夫と暮らす家なんだ。
という気持ちがあるので「ここに父と二人で住んでいる」と言葉にするのは抵抗があった気がします。
冷静に考えると、父に説明することと、わたしの気持ちは切り分けて考えた方がいい。
父にショートステイを利用してもらうことで、気持ちに余裕が出たのかもしれません。
