父はショートステイ中のことを明確に思い出すことはできません。
でも「ショートステイ先でもこうだったんだろうな」と感じることはあります。
例えば、
「私は九州の◯◯県の出身だけど、あんたのふるさとはどこなの?」
と聞いてきました。
ここだけど?
わたしはつい真面目に、
「わたしはお父さんとお母さんがここに引っ越してから生まれたんだよ」
と言ってしまいましたが、父の心はまだショートステイ先にあって、他の利用者に聞いている気分だったんだろうと思います。
別の時はこんな感じ。
わたしが父のために用意したファイルがあります。
このファイルは、父の家系図、きょうだいの情報、母の情報、家族写真などを入れてあるもので、ショートステイにも持たせました。
そのファイルを父に見せていたところ、妹のページで語り出しました。
「妹は九州で縁談話が持ち上がりましてなあ。その縁談がいやだったみたいで。私は××大学に進学して東京にいたものですから、妹がそれを頼って出てきましてなあ」
完全によそゆきの口調だ。
このファイルを開いて、施設で他の利用者かスタッフさんに繰り返し語ったに違いないと感じました。
あとは、夕飯後に歯を磨くよう促すと磨いてくれます。帰宅してきた日は、たまたまかと思ったのですが三日連続磨いてくれてます。
ショートステイ先のスタッフさんは、どんな手を使っているのだろう。すごいなあ。
介護に関わるスタッフのみなさま、ありがとうございます。