母の持ち物を整理していたら、何やら大きめの封筒が出てきました。

取り出してみると、手紙が十通ほど。


差出人の名前は、大阪太郎。

誰やねん。

差出人の住所は書かれていません。


他の手紙の差出人を見ると…。


大阪次郎

大阪参郎

(略)

大阪給郎

大阪拾郎


太郎の次は次郎(2)、参郎(3)と来て、この後も4、5と続いて最後は9、10で終わるのです。

これは間違いなく本名じゃありませんね。

宛名の筆跡を見ると、父の書いた字に見えます。


中身を読んでみると、やはり父から母に宛てた手紙でした。


わたしが生まれる十年以上前。

転職した父が、会社の研修で2ヶ月ほど大阪に行っていたようです。


その時に母に送っていた手紙でした。


差出人の名前を大阪太郎、次郎…と変えていったのは父のユーモアなのでしょう。


認知症になる前の父は堅物といった感じだったのですが、手紙には情熱的な言葉もあったりして、意外でした。