お昼前のことでした。

父が「保険証、お金」などと言いながら、部屋をうろうろしていました。


「お父さん、どうしたの?」

と声をかけました。


すると、

「目、目がおかしいから病院に行くの」

と言います。


根気よく聞いてみると、左目がゴミが入ったみたいに痛いと言います。

「目を洗ったら?」と言っても「そんなことはもうした」と答えます。


父の診察券の中から眼科のものを探し出すと、午前の診察は13時まで。


「午前の診察時間は13時までだけど、今から行く?お昼ごはん食べてから行く?」

と問うと、

「ごはん食べてからでいい」


時間が経ったら忘れるかもしれないと思い、とりあえずごはんを用意しました。


そして、お昼ごはんを食べ終わってから聞きました。


「お父さん、目はどう?まだ痛い?」

すると父は、

「もうよくなった」

と言いました。

病院も行かないとのこと。


本当に具合が悪いのか病院が必要なのか、見極めが難しい。