早朝、父が起き出して何かごそごそ探しています。
「この辺に俺の系図がなかったかな」
祖父の戸籍謄本をもとに、わたしが書いた手書きの家系図のことと思われます。
折に触れ、繰り返し見せていたので、
「こういうものが存在する」
と、父の記憶に刻まれたようです。
父は短期記憶はかなり衰えているけれど、繰り返し繰り返し見せたり聞かせれば、後で思い出せるんですね。
わたしお手製の家系図のことを覚えてくれたのは嬉しいのですが、ちょっと朝早すぎる。時計を見たらまだ5時半です。
「俺の父親は、まだ生きてるよなあ?」
などと聞いてきます。
「Zzz…しんでるよ…Zzz」
雑な対応になってしまうのは致し方ありません。
「えーっ、そうかな?」
驚く父。
父の父、すなわちわたしの祖父は、わたしが生まれる前に死んでいるらしいです。
母の記録によると、大阪万博の年。1970年?
父が91歳なのに、その親が生きてるわけないと思うのですが、父は自分が若い時にタイムスリップしてしまっているのでしょうね。
「◯◯婆さんはどこだ」と言うこともあります。
父が91歳なのに、その祖母が生きてるわけ(以下略)
名前から調べたら、そのおばあさん(わたしの曽祖母)は明治生まれで、今も生きてたら150歳です。