認知症の父を連れて、入院中の母に会いに行きました。


HCUから一般病棟に移るわずかな時間に顔を見れるということなので、HCUの前で待機。

早めに着いてしまったので30分以上待ちました。

父は疲れてしまったと思うけれど、遅れたら会うチャンスを逃してしまうから。


途中、看護師さんが出てきて、あちらの自動ドアから出てきて一般病棟に移動する時に顔が見られるので、時間になったらお知らせします、それまでお待ちくださいと案内してくれました。


待っている間、父が「お母さんの顔を忘れた」と言うので写真を見せたり「今日は誰に会うんだ?」と言うので説明したりしました。


そして、いよいよ母と対面の時。

HCUの自動ドアからストレッチャーに横たわった母が看護師さんに付き添われて現れました。


わたしたちは母の左側に立ったのだけれど、母は右側を向いていました。

わたしが声を掛けて、看護師さんが声を掛けて、母は振り向きました。


わたしたちを見て、びっくりしたような顔をしていました。


母は人工呼吸器がついているので、声を出すことはできません。

右目も眼内炎でひどいことになっていました。

眼球が充血というレベルじゃなく赤くて、眼球がないのかなと思いました。


お母さんがよくなって嬉しいと伝えました。

父も少し言葉を掛けました。


そしてわたしが、

「お母さんに会えると聞いて、お父さんは今日床屋に行ってきたんだよ」

と言ったら、母は大笑いしていました。

声は出ないけど、爆笑してるのがわかりました。


お父さん、床屋に行ってくれてありがとう。

マスクしてるから、剃ったヒゲは見えないけど。

帽子も被ってるから、整えた髪も見えないけど。


もっと母を安心させる言葉や励ます言葉を掛けたかったけど、何を言っていいのか全然浮かばなくて、あまり話しかけられなかった。


転院の時も、顔を合わせる機会はあるから何か考えておこうと思います。