父が突然、深刻な顔で言いました。

「お母さんはもう退院できないんだな。死ぬまでずっとこのままなんだろう」


悪い菌が身体に入っていろんなところで炎症を起こしていたけどもうその治療は終わっているし、人工呼吸器を外すリハビリもしているし、少しずつよくなっているんだよ。

入院してまだ2ヶ月なんだし。


と説明したら父は、

「えっ、そうなの?もう2年くらい入院しているのかと思った」

とびっくりしていました。


入院して2週間くらいの時にも「もう半年くらい入院している」と言っていた気がします。


父の記憶は連続性がないけど、母がずーっといないという感覚はあるのでしょう。


父は、一日千秋の思いで母の帰りを待ち侘びています。お母さん、早くよくなってください。