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いつかのウシジマ感想に思いつきで貴種流離譚を引いてしまったので、改めて勉強しようとおもったのだけど、なかなか、なにを読めばよいのかわからない。
貴種流離譚については、民俗学とか人類学、それからふつうに文芸批評とかを読んでいればふつうに出てくる概念で、僕も一般的な意味で(つまりウィキペディア的な意味で)それがなにかというのは理解しているつもりである。もとは折口信夫の理論で、ほとんどの神話が同じ構造をもっているというふうに分析したらしい。しかし、折口信夫がそこに至った道筋とか、また、だからなんなのか、ということになるとわからない。(ちなみに僕はずっと折口信夫のことを「おりぐちのぶお」と読んでいたのだが、今回「おりくちしのぶ」だということがわかった。漢字の読みというのは口に出して議論でもすればすぐ誤りには気づくもので、だから政治家が固有名詞を読み間違えたりするのは、議論したことがないということだからおそろしいはなしなわけで、いかに僕がものの本だけで学んでいるかということがよくわかる)
折口信夫の本はずっとむかしに『言語情調論』を読んだことがあるが、あまり理解できなかったし、それにこれは折口が柳田国男に出会って民俗学の畑で生きていこうと決める前の卒業論文なので、この件についてはあまり役に立たないかもしれない。だいたい覚えていない。
調べてみたが、なにを読めばよいのかというのはよくわからず、とりあえず、「いつか読まなきゃ」な一冊でもあった「死者の書」の岩波文庫版と中公文庫版をふたつ手に入れた。岩波のほうは旧仮名遣いなどが改められているので読んだ感触も異なる。収録作品も「身毒丸」のような代表作などがばらばらに入っているから、これはふたつ手に入れて正解というところだろうが、しかしこれは小説である。これはこれでよい買い物だったし、「いつか読まなきゃ」だし、折口を真に理解しようとしたら当然通過しなければならないわけだが、ちょっとそういう遠回りをしている時間はなさそう。ヤクザくんが終わるまでにとりあえず貴種流離譚のなんたるかを知りたいわけだから。
というわけでふたたびグーグルに戻り、中公から『古代研究』というシリーズが出ていることを知った。ほんとうは、これも中公から以前に出ていた折口信夫全集によさそうな論文が載っているようなので、それがいいのだが、中古ならともかく、むろん手に入らない。むかしなら図書館にいったんだけど、いまはもう2週間で読める気がしないし、だいたい借りるときと返すときの2度図書館に行く余裕がない。
というわけで短めの初期論文などを集めた古代研究に手をつけた。目次を見ても、貴種流離譚について「これを読めばよい」というものがあるわけではないっぽい。しかし身毒丸を読んで、その評論を読んで、というよりはまだましだろう。ほんとうはこんな読み方で手をつけても理解できるような人物ではないのだが、まあしかたない。ちょっと読んだだけでも「古代研究」はかなり手ごわそうだが、貴種流離譚にしたところで、それだけがボコッと誕生したわけではないだろうし、とりあえず批評の文体で折口信夫を追っていけば、それの原形にでもいつかぶつかるだろう。
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