知り合いの子にはおせっかいでいたい | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

店の地主さんとこの仲のいい小学六年生の男の子が、国語で伸び悩んでいるということである。

tsucchini家庭教師説もいまだ根強く残っているけど、経験的に小学中学あたりの国語は読書を習慣づければすぐに解決できるとおもう。

僕じしん、受験生だったおなじ年頃に、国語で悩んでいた。暗記が苦手で、二科目受験を志望していたのだけど、そうなると算数と国語それぞれにかかる負荷も大きくなる。

それで、僕のばあいでは、魅力的な予備校の講師が、読書の楽しみを教えてくれた。課題に出た井上ひさしの「偽原始人」はおそろしいおもしろさで、気づくと僕は、読書それじたいに楽しみを見出し、国語についても特段意識することもなくめきめきとちからをつけていったのだった。



偽原始人 (新潮文庫)/井上 ひさし
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だから、「偽原始人」が手に入ればそれがいちばんいいのだけど、これはどうも絶版くさい。ネットをつかえば手に入るとおもうけど、読書に楽しみを見出すことが目的なら、質がよく、かつおもしろければよいわけである。というわけで、島田荘司の「御手洗潔の挨拶」と「御手洗潔のダンス」を用意した。どちらも推理小説だけど、いまおもえば僕にとっての最初の一押しは井上ひさしだったとしても、決定打は島田荘司だった。


しかし、直感的には、小説云々はもちろん重要だけど、そもそもいまの子供たちには「物語」に触れる経験が少ないような気がする。書店で働いていると肌で感じることだが、最近の小学生は漫画すら読まないのである。どこかで手に入れた図書カードも、その場で遊戯王なんかのトレーディングカードに無計画に全額つぎこんでしまうのである。

物語に触れるだけなら、彼らにはテレビがあるし、アニメや映画を見るだけでもじゅうぶんかもしれない。しかし、ひとことでいえば、アニメは「見逃すことができる」のである。ほっといてもはなしはすすんでいくし、目をこらして文章を追ったり、辞書を引いて難しい漢字を調べたりしなくても、あるいははなしをぜんぜん理解していなくても、かってにすすんでいくのである。橋本治がどこかで指摘していたことだけど、3Dの登場は、それを象徴しているような気がする。こちらから批評的に働きかけなくても、かってにむこうからぐいぐいやってくるのである。


というわけで、小説にこだわる必要はないかもしれない。必要なのは思考の様式なのだから、漫画でもじゅうぶんなのである。だから、アニメも放送中の青の祓魔師を買ってあげることにした。あくまで技巧的な、表層的なレベルでのおはなしですけど、とにかく、はじめは本を開いて、主体的に物語をほどいていくという習慣をつけることだとおもいます。




御手洗潔の挨拶 (講談社文庫)/島田 荘司
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御手洗潔のダンス (講談社文庫)/島田 荘司
 
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