第231話/出迎え
最初、ぱらぱらチャンピオンをめくって、ふつうにパロディ漫画のほうを読んでしまった。
もちろん途中でうすうす気づいたことは気づいたのだけど、なぜか本編の存在を確認してしまったのだった。
はなしはもどって、烈だ。
千春のはなしと交互に連載がすすみ、烈の脳蓋のなかみたいに読者が揺さぶられている。
本編のすすみかたじたいが烈編の比喩になっているとでもいうのか・・・ッ?!!
どこまでも追いすがるスモーキン・ジョーの連打に烈が打ちのめされる。
烈が豆腐から学んだことは、とにかく回復しきるまで逃げるということだった。
だけれども、烈はその場を離れない回転運動でこれを実行する。
直線的な、一撃の攻撃は回避できても、連打されてはどうしようもない。そんなに動いたら今度はその動きのせいで脳が揺さぶられてしまいそうだ。
追いすがり、追いつくことのみに技術のすべてがつぎ込まれたようなスモーキンの「テクニック」が、烈をぼこぼこにする。
そしてふたたび、烈の脳みそは「範馬刃牙」読者のように揺さぶられるのだった。
そうしてダウンした烈は、また修業時代を回想する。今回は見たことないおっさんではなく、国手・郭海皇だ。今回郭は、ダウンしてしまったあとの回復方法を伝授する。前回の先生も、同じく、「ダウンしてしまったらどうするか」といういいかたで若き烈に教授をしていた。それが、いつのまにか烈においての解釈ということでいいのか、逃げ方というはなしになっていたのだった。
通した描写があるわけではないのではっきりとはわからないが、若き烈はけっきょくあの先生のいわんとしていたことをつかめず、それと比べれば逆に聞きづらそうな感じもするが、郭が烈の天才を買っていて多少の交流があったという可能性もある、ふとしたときに郭にたずねてみたのかもしれない。で、郭はじぶんの考える回復法を示したと。そんなところかも。
まあともかく、郭の秘策だ。それは、震動を迎えよ、というものなのだった。今回も豆腐が用いられており、フルフル揺れるそれを片手に、ふるえをとめるにはみずから揺れて、こちらから迎えるしかないと。
いろいろわからない。
たしかに脳みそが数分のあいだ揺れつづけているというのなら、この方法に効果はあるのかもしれない。しかし、おそらく、脳震盪のダメージというものは、脳が揺れている最中のみにあらわれてくるものではないだろう。それはたぶん原因にすぎない。
だが郭海皇のあの独特の説得的物言いからは、なにかそうした医学的なもの以外が感じられる。できることはそれしかないのだから、やれ、というふうに。
そして「迎える」という表現も含め、それはやはり精神的な乗り越えの方法なのではないかとおもえてくる。
きっと烈の脳内には、歪む視界もあいまって、脳震盪という名称から想像される「揺れる脳」のイメージが鮮明にうつしだされている。
烈はみみをすませ、揺れをあとから追い、タイミングをはかる。
しかしそれはイメージの脳みそだ。
そして烈は、脳の揺れに合わせ、みずからあたまをぶん殴ることで揺れを迎えるのだった。
その状態でそんなことをすればもっとたいへんなことになりかねない。
しかし烈は機敏に立ち上がる。イメージのなかの脳はすっかり正常の状態に戻っているのだった。
つづく。
今週もなんだか信じられない展開だ。
烈はイメージの震動を探り、これに合わせた。
あの作業は、まったく自分自身との対話だ。
彼は自身のなかにおこっている痛みから逃げ出すのではなく、等量の揺れで相殺するかたちで、これを打ち消した。
彼のイメージのなかにおける「揺れ」とは、現実では「ダメージ」と翻訳される。
だから、烈は、言い換えれば、痛みをそのものとして迎え入れ、ばかりか自身の手でふたたびおなじだけの痛みをつくりだし、身体に加えたのだ。
郭のことばがいやに強制的であったのは、たぶんそれが物理・医術のレベルではどうしようもないことだからだろう。だって要するにこれは、「こんなのどうってことない」と自身に言い聞かせる作業なんだから。
そして、こんな行動をとるのはほかに、あたまから血を流しながら頭突きで骨折箇所のギプスを砕く柴千春くらいしかいない。
てっきりスモーキンが千春と呼応するものとおもっていたが、もっと総体的なはなしになっていくのかも?
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