うちの店はレジ横にテレビがあって、映像の販促物があるものをそこで展開しているのですが、いまは映画があるということで、その宣伝を流しつつ、絵本の「かいじゅうたちのいるところ」を展開している。
- かいじゅうたちのいるところ/モーリス・センダック
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
僕はしょせんバイトだから、担当のコミックの仕事もレジを見つつやるので、つまりこれを聴いている時間がとても長い。(テレビそのものはむこうを向いているので、音だけ)
定期的に、ガイアの予告攻撃のように「ピターゴラースイッチ」と聞こえてきたあのときほどではなく、まあ聞こえてくることばは英語だし、なんということはないのだけど、一箇所どうしても気になるところがある。それは、なんやかんやでかいじゅうたちの王様になったらしい少年が、高らかに「かいじゅうおどりをしよう!」とみんなに提案し、「うおーっ」と、たぶんかいじゅうたちが盛り上がって、へんな音楽が流れ出す場面(というか、そういう音声)です。
そこのところの、「子供がリーダーシップをとっている」という感じが、なんかすごい気持ち悪い。
僕はこの絵本を読んでいないので、どんなおはなしかよく知りませんけど、その一場面の印象はそういうわけですこぶる悪い。
こんなところに子供たちが感情移入し、昂ぶった気持ちになっているのかとおもうと、より居心地が悪くなる。
それは、たぶん僕が、村上春樹がどこかで誰かにそうしゃべらせていた、「みっともなくおぞましい」、みずからの少年時代を、客観できるほどにはオトナになりきれていないからなんだろう。というのは、僕もまた、英雄譚を見て、感激し、じぶんはこんなところにいるべきではない、もっと崇高なものなのだというような、たぶん誰もがいちどは人生で体験する気持ちの状態を育んできたのだから。
これをみて子供のように感情移入することがあるとすれば、それはそれとして問題だろうけど、たぶん僕みたいな中途半端ではないきちんとした大人は、「そういうものだ」と、まっすぐ真後ろをふり返るかたちで、これを楽しく見ることができるんだろう。
まあそのうち絵本を読んでみたいとおもいます。