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あるYO。


…映画でなッ!!


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僕はこれを映画館で観た。

中一だったかな…。


友達どうしではじめて遠出らしい遠出をして、新宿で見たのだった。

あのときは道迷ったなあ。いまでも迷うけど。


神奈川生まれの僕も、親といっしょに音楽を聴きにいったりお芝居を見に行ったりという感じでいわゆる「都会」に行ったことは何度もあったけど、特に明確な目的もなく(映画を観よう、ということだけ決めていて、なにを、というのはべつになかった)、その土地に行くことそのものを目的として山の手に向かったのは、たぶんあれがはじめてだった。

まあそういう冒険的な興奮もあったのか、『インデペンデンス・デイ』はとてもおもしろかったし、刺激的だったし、いまでも好きです。

僕はウィル・スミスが大好きだけど、この映画は俳優としての彼の出世作でもあるから(彼はもともとラッパーです)、たぶんこのときの感覚とそれは無関係ではないんだろうな~。


『インデペンデンス・デイ』の最初に目につくおもしろいところは、やっぱり「UFOがびっくりするくらいでかい」ということだよね。

いっこの直径が…30キロくらいだったかな。

それが地球中に無数に散らばって、ものも言わず不気味にとどまっている。

それの発射台というか、基点となった母船などは月の四分の一の質量をもっている…。


もちろん、こうした「乗り物」が巨大である映画には『スターウォーズ』という好例がある。


だけれど、なんにもない宇宙空間に「星をつくってしまう」という神をもおそれぬ力の象徴としてのそれと、地球上に、すなわち僕らの慣れ親しんだものさしがすぐとなりにある空間にあれがくるというのは、ちょっと意味がちがう。


ひとこと「ばかでかい」としか言いようのないUFOの襲来は、まっすぐにこちらの価値観をゆさぶってくる。究極の他者としての宇宙人が、意味も用途ももはや想像すらかなわない「巨大さ」をぶらさげて真顔でやってきたのである。

そのとき人類につきつけられるのは自身の想像力の限界であり、試されるのもまた想像力だ。

彼らと戦争になったとき、われわれがふだん問題を処理するため効果的に用いるコードというか思考のテンプレートは役に立たない。

だから、核は通用しなかった。

ここに必殺技などありえない。

そこで、僕らの常識の組み換えが必要になってくる。

映画では、それは、かんたんにいえば一致団結ということだったとおもう。

大統領と戦闘機のパイロットとMIT卒のケーブル・ガイが、規範の崩れた世界のうちで一個のにんげんに返って、それぞれが習得してあったアビリティを手にたたかうのだ。

ベタなようだけど、あの大統領の演説はけっこう感動したものです。


おもえばあのときジェフ・ゴールドブラムは宇宙船のシールドを壊すためにコンピュータ・ウィルスを用いていましたが、あれってH・G・ウェルズの『宇宙戦争』へのオマージュだったのかなあ。