- 怪異いかさま博覧亭 1巻 (IDコミックス REXコミックス)/小竹田 貴弘
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『怪異いかさま博覧亭』をぱらぱら読んでいて、ふとおもった。
幽霊とか妖怪というのはすべて“むかし”生きていたものか、少なくとも過去に出自をもつものであって、未来人の幽霊とかいうのは聞いたことがないなと…。
二百年後に大失恋の末自害した半ロボットの幽霊なんて聞いたことない。
ということは、幽霊にも(幽霊の住む世界にも)僕らと同じ種類の時間が流れていると考えるのが自然だ。
それってすごい残酷だよね。
死んでせっかく時間の羈束から逃れたというのに、けっきょくそこにあるのは生きているときとかわらない時間ということなんだから。
だとしたら生きていることと死んでいることになんのちがいが?
日本に住むかアメリカに住むかという程度のちがいしかないのでは?
時間があるのだから、「不死」という一点を除けば、ちがいはないんじゃないか。
もしふたつの世界がとなりあったものなら、海外移住とおなじ程度の意味で死は生であるはずだから、そうなるとちがいなんてことばの問題なのかもしれない。死の世界にも、その意味ではきっと幸福があるはずだし、すると彼を「死」にしばるものがあることになる。僕らを「生」の虜にするものがあるのとおなじように。
もちろん幽霊が過去のものしかないのは、そもそも人間が他者の、知己の死をもってそうした概念を発明(発見?)したからにはちがいないでしょう。
僕はべつに幽霊を信じているわけではないけど、特に信じてないと強弁するものでもない。
「幽霊を信じているわけではないけど、特に信じてないと強弁するものでもない」と強弁するつもりもない。
はなしとしては、「大気の八割は窒素なんだよ」と聞かされたときの気分が近いだろうか。
「はあ、そうですか」というところ…。
- 心の底をのぞいたら (ちくま文庫)/なだ いなだ
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というようなことを考えていて、子供のころ読んだなだいなだの名著、『心の底をのぞいたら』では、幽霊についてどう書かれていたんだっけと考え、本棚を探っていたら、ぶっ壊れた。
ほら…ね?
いったでしょ?限界だって。
見てわかるように、僕は本を二重にしておいている。
いちばんうえにうつっているのは詩集や新書で、ややサイズが大きいので、ここはこれだけなんだけど、その下からはもう読まない、読みそうもない本をうしろに押して(奥板が壊れてはずれているので、ずっと奥まで入る)、手前によく読む本、最近読んだ本をおいています。
けっきょくなだいなだは見つからず。
特にこの本棚の左側はもうひとつの本棚と重なっているし、本来を手をつっこんで探るためにあったすきまにはチャンピオンとスピリッツのタワーができているので、ムリ。
ところで写真ではうえから二番目にうつっている棚には村上春樹を並べてあるのですが、壊れたのでどかしたら、奥からパーネル・ホールが出てきた。
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ほとんど衝撃的なほど懐かしかった。
そう、おれ大好きだったわこのひと。
中学生くらいかなぁ。
数えたら11冊もある。『探偵になりたい』から『脅迫なんてこわくない』まで。
内容はさっぱり覚えていない。主人公がどんなキャラだったかも、どんな種類のミステリだったかも(サスペンスなのかパズルなのか…)、なんにも覚えていない。
ほんとに好きだったのってはなしだけど、いや懐かしい。
読み返そうかなぁ…。