- ジャコ・ソングス~ジャコ・パストリアス曲集/オムニバス
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世界中であらゆるミュージシャンの手で演奏されている、ジャコ・パストリアスの生み出した名曲たちをひとまとめにしたコンピレーション盤。
僕個人としては、基本的に音楽というのは演奏のなかにしかないとおもうので、名曲があって、それをほかの誰かが演奏するのはかまわないし、いわゆる「カバー」もばあいによってはおもしろいことが多いというのは知っているけれど、それとこれとはべつというか、新たに演奏されたものともとになったオリジナルのトラックは、まったく異なる音楽的現象だとおもうので、誰がどのように演奏したかということと、ジャコがすばらしいミュージシャンだということは音楽的にまったくかんけいのないはなしなのだけど(だから、たとえば「原曲のイメージを残す」とかいう評しかたはきわめて繊細なもので、その「残し方」というのは演奏者のアーティストとしてのセンスが直球で問われる箇所だとおもう)、とはいえ、名のある音楽家たちのジャコと彼の音楽に対する愛やリスペクトがそこに感じられれば、いちジャコ・ファンとして感動しないわけにはいかない。
いつだったか、マーカス・ミラーなどを中心にコンテンポラリー・ジャズのミュージシャンが集められ、ジャコのトリビュート・アルバムがつくられたことがあったけど、そういうのとはまたべつで、あちこちに存在している作曲者本人以外によるジャコ・ソングの演奏を、ジャコ・フリークとして知られる松下佳男がセレクト、編集したもの。
- トリビュート・トゥ・ジャコ・パストリアス/オムニバス
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僕的なクライマックスはスコア③、アナン&ダンテによる「John and Mary」から、ミシェル・カミロによる④「Las-Olas」でしょうか。
「John and Mary」は『Word of mouth』収録の、組曲風の大作ですけれど、この曲が底のほうに孕んでいたイノセントな美しさがよく引き出されていて、この曲に限ればこちらのほうがよく聴いているかもしれない。
⑦「Dania」もいいです。未発表の曲らしくて、つまりジャコ自身の演奏は残っていないのですが、ここではウェイン・ショーターやスタンリー・クラーク、レニー・ホワイトなどが演奏している。なんかRTFっぽいなとおもってら、やっぱそういうことなのね。ていうかショーターとスタンリー・クラークが共演しているということにけっこう驚きだけど。よくよくクレジットを見たらピアノがミシェル・ぺトルチアーニだよ。いったいなんの企画だったんだろ。クラークの、なんか重装備で驀進する中世のナイトみたいなへんな迫力もすごいな。
⑩「Las-Olas」だけは、ぜんたいの特典的にジャコ本人の演奏です。ミシェル・カミロのものと比べてもいいけど、やっぱそれとこれとはべつっていう感じするね。個人的にはやっぱオリジナルだけど…。リーダーのボーカルが初期リターン・トゥ・フォーエバー出身のフローラ・プリム。ドラムスが同じくRTF出身で旦那のアイアート・モレイラで、とちゅうブリリアントなソロをきかせているのがハービー・ハンコック。このへんはやっぱ同世代だから、それなりにつながりがあったのかなあ。奇しくもウェザーリポートとリターン・トゥ・フォーエバーとヘッドハンターズのメンバーが集まってるわけですから。
- ジャコ・ソングス2~ジャコ・パストリアス曲集/オムニバス
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