第149話/蜂の一刺し
怒涛の四連撃でジャックを仕留めたピクル(なんか先週もこの書き出しだったような…)。
勝利のダンスを見せ、涙を見せながら食事に入ろうと歩み寄ったピクルが、なにかを予感して離れてゆく。ジャックの背後に蜂の幻影と、それにともなうなにかの記憶を想起したらしい。
まだ幼いピクル。襲い掛かってきた最強の昆虫、蜂を叩き潰したピクルは、いつものようにそれを口に入れて食した。蜜の甘みが口中に広がる。その刹那、爆発のような衝撃がピクルをおそった。激痛を表現する絵の、ピクルの口は、まるきりクッキーになったダーブラを含む魔人ブウである。動けなくなっていたピクルは肝に銘じた。殺しても死なない者がいると。ピクルは気絶したジャックにその気配を感じ取ったのだった。
ピクルが感じた痛みはなんだったんだろうな…。蜂のからだの構造ってよく知らないけど…、針が舌に刺さったってだけではなく、そっから毒が流れこまなくてはならないわけだけど、なんだろう、この毒は、蜂が「注入」するものとはちがうのだろうか。痛みそのものは口のなかで起こっていたものっぽいが、そのあとの動けない状態というのは、痛みがもたらした疲労みたいなものか、それとも毒のおこした麻痺状態なのか…。口がそんなふうになるなら、針はささって、そこから毒が流れ込んだということなのだろうけど、つまり気になるのは、死んでしかもあんなふうにつぶれた状態でも有効なのだろうかということ…。
まあ、重要なのはピクルにはジャックがそのように感じられたということですが。では瀕死のジャックにおける毒とはなにか?そのままジャックのからだは、ある意味では毒漬けなわけだけど。
ピクルはついに闘技場のはしにうずくまってしまう。顔面は汗だくであり、下を向き、せっかく仕留めた親友のほうを見てすらいない。なんだろう、今回、この説明の文章のフォント、いつもとちがくないですか?
バキと光成が闘技場におりている。回想シーンをみることのできないふたりには、ピクルがなぜジャックを食わなかったのか理解できない。この状況からの反撃はありえないと光成は断言し、ジャックに近づく。柵に引っかかったジャックの両腕の、その先…。中指がやや立ち上がっているように見える。ジャックの正面に立った光成がジャックに触れる。その瞬間、トラバサミのようにジャックの両腕がとじる!
頭頂部すれすれの位地で衝突したジャックの両手から出た血が、光成のあたまに滴り落ちる。要は、海賊の基地に潜入して、壁から矢のとびでる仕掛けにはまったクリリンです。チビで助かったな。
もちろんジャックは失神したままだ。
バキと烈が解説をはじめる。
(仮に…
あのままピクルがジャックに触れていたら――
恐らく…
その中指はピクルの両耳を貫き――
延髄を分断させた可能性大)
そうかなぁ…。
目潰しよりも難易度高そうなピンポイント攻撃なんだけど。
それに、烈のいう「そうなったら結果は逆だった」って、そんなのなんでもそうじゃん。
しかしまあ、これまでのピクルはアストロンのかかったサンドバッグだったので、つまりみんな攻撃をあてることはあてていたので、あたっていたらきいていたかもという程度の意味では、まあそうなのかな…。
(自身に刻み込まれた細胞の記憶
意識失えどなおジャック…
地上最強のファックユー)
つづく。
なんか板垣恵介っぽくないオチだなぁ…。
中指で耳を貫くという攻撃は、たとえばつかみかかって髪の毛をひっぱるとか、馬乗りになって鉄槌をふるうとかいった攻撃に比べれば、完全に技術の範疇だ。だから反応としてたまたまでてきたとはなかなかかんがえにくい。もしかするとジャックはこの訓練…、つまり「万が一やられて気絶してしまったとき、近寄る敵を仕留める」訓練をしていたのかもしれない。どうやってやんのかはわかんないけど。しかし、それにしては技がピンポイントだ。ただ手のひらを全力でたたきあわせるだけでも、いい気がする。そうしていないということは、仮にこれが訓練の結果だとしたら、ジャックはピクルを想定してこの技を編み出したのかもしれない。両腕をとじるまえから中指は立てて準備されていたわけだし。挑戦がやや出遅れたのはそのせいか。
あるいは、ジャックを気絶させているじてんで、その仮の相手はそうとうの実力者であるから、としたら生半可な技では意味がなかったのかな。だがいずれにせよ、両の耳の穴というのは相手の身長によっても場所がちがってくるし、同じ人物であっても、ちょっとしたことでずれてしまうだろう。
としたら、もしかするとジャックは完全に意識を失っているわけではないのかも。僕らでいうと寝ぼけている状態というか…。戦闘中であるという感覚だけ残してほとんど機能を停止したジャックは、光成が触れるのを感じ、ちょうど授業中、居眠りをしていて教師に小突かれ、飛び起きた学生が、寝ぼけ面のまますぐにペンを立てて「授業聞いてます」的な姿勢に戻るように。
いずれにせよ、ジャックはこれでもうおわりだろう。対ピクルにおいても、またキャラクター的にも…。短期決着は予想してあったけど、それにしても、なんか納得いかないなぁ…。ジャックって、バキとの最大トーナメント決勝以外苦戦らしい苦戦はしていないし、改造手術ででかくなったし、ていうか範馬だし、活躍の場があまりなかったことも手伝い、僕は読者として彼のことをあまりに大きく考え、期待しすぎていたのかもしれないな…。「ジャックなら…ジャックなら…」という具合に。じっさいピクルを彼は二発で本気にさせたわけで、強いことはまちがいないんだが…。短期決戦は、「ジャック」というノーフューチャーなキャラクターの必然でもあったのでしょう。
それから主人公だ。先週は素でピクルにシカトされていて、来週この状態をどう処理するのかと心配していたのだが、光成が闘技場におりてきたことでふつうに解説係としてなじんでいた。いまのバキを見ていても、とてもではないが彼がピクルに通用するとはおもえない。それどころか烈や克己やジャック以上に善戦するところすら想像できない。来週以降どんな展開になるのか…。
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