
■『猫語の教科書』ポール・ギャリコ著/灰島かり訳 スザンヌ・ヌース写真 ちくま文庫
「ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。“£YE SUK@NT MUWOQ”相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、全国の猫のためのマニュアルだった。『快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか』
ひょっとしてうちの猫も?
描き下ろしマンガ 大島弓子」
裏より
ポール・ギャリコによるまえがきからすでにおはなしははじまっており、著者紹介も、この暗号文を書いた猫の写真とプロフィールがつかわれているという、手のこんだ、楽しい構造の小説。いや、むしろこれはフィクションとして読むより、事実の記録と思い込んで読んだほうがずっとおもしろいだろう。猫のあの魅力は戦略的なものだったという、こう書いてるだけでもにやにやしてしまうほどにかわいらしい本。猫じしんは、べつに暗号文を書こうとしたわけではなく、タイプライターを前足で叩くときにどうしてもその周囲のキーも叩いてしまうためにこうなった、というのが編集者ポール・ギャリコの推測。すなわち、この本ぜんたいは、ツィツァという猫の書いた啓発書を、ポール・ギャリコが翻訳したもの、ということです。

■『猫のほんね』野矢雅彦 中公文庫
「猫は誇り高くて、けっして心を見せないもの―なんて決めてはいませんか?
実はいつも訴えかけてきているのです。わがままや気まぐれに隠されたほんねがわかると、もっともっと猫かわいがりしたくなります。
獣医さんが教える猫の言葉」
裏より
これは小説とかではありませんが、とりあえず写真がヤバイ。文章も愛情に満ちていて、あたたかい。人間がいかにこの動物に謎をおもい、知りたがっているか、おはなしをしたいとおもっているか、すなわち“好きか”、よく伝わってくる。
あれ、もしかしておれ、猫好きなのかな。
気付かなかったけど、
カレンダーも猫だわ。