『STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND』NITRO | すっぴんマスター

すっぴんマスター

(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

070806_153125.jpg


■『STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND』NITRO MICROPHONE UNDERGROUND



STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND


2004年発売、ニトロの2ndアルバム。1stの出来があまりにあまりにすばらしく、あいだにはさんで発売されたミニ・アルバム『UPRISING』も、全員参加でなかったとはいえ悪魔的な傑作だったので、この2ndにかかっていた期待というのはすごいものがありました。そういう意味では、メンバー各自の活動がいちいちヒップホップ・マーケットを揺るがす事件になってしまうくらい全員がハズレのないスーパースターとなった現在、3rdにかかるわくわく感もすさまじいものがあります。


そんななかで、初めてこれを聴いたとき、アレ?っていうのが正直ありました。完成度は非常に高い。どうもなじめなかったBIG-Zはややスタイルを変えて、よりタイトになっているし、XBSやS-WORDなんかは単純に上手くなってる。トラック面も…一曲目のVIBLAMは鉄板だし、ニトロとは相性のいい、DJ WATARAIやDJ HAZIME、ITA-CHOやMUROなど、みんないい仕事してる。はっきりいってスキがないです。だけど…この、ちょっと物足りない感じはなんなのかなぁ。完成度は高いんだけど…愛聴盤であるかというと少しちがうんですよ。たんに期待が大きすぎたからでしょうか?ポテンシャル・エネルギーが前よりは感じられなくなったからかなーなんていうふうにも思いましたが…。つまり1stのころにあった、鼻にツンとくるような、欝陶しいくらいの「若気の至り」が消えているというか…。まあ、ぜいたくなはなしですかね。


とはいいつつ、聴きどころはいっぱいあります。一曲目の「STRAIGHT FROM THE UNDERGROUND」で、VIBLAMの真っ黒なトラックにのって疾走する八人のマイク・リレーを聴いたとき、誰もが、そう、これだよ聴きたかったのは、と思ったはずです。最近ではスイケンのアルバム収録の「ナイト・ライダー」もかっこいい。速いトラックでほとんど休みなく行われるマイク・リレーが、まあ好みはあるだろうけど、やっぱすごい。「適当強盗aka春夏秋冬」然り。
僕がいちばん好きなのは「地下の帝王」ですかね。なにかが起こりそうな、予感とたくらみに満ちたダークな雰囲気が…たぶんこういうのを期待してたんだろうなー。
「毒々」ではいまは亡きTOKONA-Xがゲスト参加しています。彼はイコールを擁したMOSADのメンバーでしたが、わりと最近に亡くなってしまいました。
この曲ではBIG-ZとS-WORDがジブラをディスっていますが…。こうやっておもしろがって書くのもあんまりよくないのかなーなんて最近は思います。みんながみんな静観できるほど寛容であるとはかぎりませんしね。オアさんのブログが荒れていたとき、いろいろ考えました。いわゆる快楽主義…好きなものを好きなふうに聴いてなにが悪い、という、作品を「自分の金で買った商品」としてしか見ていない、リスナーというよりはいわば消費者の立場で音楽を聴くひとがいかに多いか…。別にかまわないんですがね。でもこういうひとたちに、たいした論拠もなく、たんに嫌だからってことで、趣味レベルで「ディス」を否定されちゃうと、いやいやそれは待ってよ、となるのが正直なところです。『「ディス」を否定する』ことじたいは、それはさまざまな意見あって当然ですのでいいんですが…。なんでもものごとを否定するときは、是非個人のものさし、趣味感覚をとっぱらってやってほしい。まあ、この僕の意見だって、言っちゃえば個人的なものだし、どっちでもいいかって
いうのも正直ありますが…。
おしまい「STILL SHININ'」は今後ニトロの代表作となるにちがいないもので、個々のバースがわりと広くとられているからゆっくり聞けるし、なによりこれは、PVがやばいです。見てないかた、ぜひ『NITRO REFLECTION』というDVDを見てみてください。僕が『ニトロという「箱」』と書く意味がわかると思います。


NITRO REFLECTIONS