■『LIFE feat.bird』MONDO GROSSO
個人的に大好きな曲。「共感」してしまう曲(笑)
モンドグロッソは、現在は大沢伸一というDJのソロ・プロジェクトとなっているみたいですが、もともとはラッパーとかサックス奏者なんかもいたグループで、このころ(2000年)もまだ、クレジットを読む限りでは、タナカヨシトという人が参加しています。birdはパワフルな歌声を武器にした歌い手ですが、正直にいうとこういうふうに豊かに、タフに歌い上げる人、あんまり好きじゃないんです。趣味のレベルでいえば、声にしても歌いかたにしても、リミックスで歌ってるFACEのほうが好きです。だけど…この音楽はちがう。いい音楽は、個人の趣味・美意識すら超えてしまう。
「共感」してしまう、と書いたのは、この曲がね、高校の修学旅行の、行きだか帰りだかで、飛行機のあの、へんな聴診器みたいなイヤホンから聞こえてきたもので…。このとき、この曲がJALだかANAだかの「沖縄」CMテーマソングみたいのになっていて、まあそれではじめて聴いたんですが、たぶん修学旅行のたかぶりなんかも手伝って、この曲が奇跡みたいにきれいに聞こえたんですよね。以降、聴くたびに修学旅行を思い出す…というわけではないのだけど(というか、修学旅行じたいがもう、よく思い出せない)、なんだかノスタルジックな気分になるのはまちがいなく、あ、よかった、おれにもこういう曲(思い出再生装置)あったんだと、なんだかホッとします(笑)
いや、でも冗談抜きで、すばらしい一曲だと思います。はじまりの、予感めいたバトゥカーダ的打楽器演奏、すべりこむように運動を始める、キラキラしたアコースティック・ギターのループ、サビのメロディの美しさ、そしてbirdの書く詞もすごくいい。リリシズムってこういうことだよなー。かんたんに言っちゃえば、まあ夏ウタです。夏は暑いから…暑いとこう、感覚じたいが自我の存在を強く規定して…っていうはなしは今回はナシで、いつ聴いても、夏の短さを惜しむような、ちょうどいまくらいの時期にみんながおもう、あの感覚がやってきます。名曲!
このシングルには歌い手をフェイスに変えて、ビートも2ステップにしたバージョンも収録されていて、こちらも秀逸。こんなに通して聞けるシングルってのも珍しい。

