TEAM 44 BLOX『BLOCK BUSTER』
僕が2006年に聴いたCDでナンバー1は、やっぱりこれだなー。個人的な印象では去年って、良質なヒップホップがわりと豊作だったようにおもうのですが、これはそんななかでも抜けていたと、いまでも感じます。
彼らのキーワード『44』というのは、千葉県の県ナンバーだそうです。どういう基準の番号なのかはよくわからないけど、とにかく千葉県は44で、また同様にして『40』も重要単語になっていて、これはたぶん茨城県でしょう。要するにこのチームは『常磐線(JBL)コネクション』なのです。これをスローガンに、ニトロのDELIを中心にして千葉県と茨城県出身のラッパーたちが寄り集まったもの、それがTEAM 44 BLOXなのです。
といってもこれはあくまで「チーム」であって、うーん、どういえばいいのかな、いわば共同体みたいなもので、彼らで何々というバンドを結成しました、というのとは全然ちがうようです。ヒップホップの強い一面である、地元意識、仲間意識、そういうもののかたちでしょう。
いちおう、メンバーは…20人強くらいいるのか?ニトロからDELI、DABO、GORE-TEX、DELIの相棒YAKKO、LTSからGOCCI、TAD'S AC、それからニトロの盟友DJ VIBLAM(日本でもっとも黒いサウンドを作り出せる男だと思います)といったベテランから、DELIのアルバムでおなじみのMIKRISや、FC MUZIKからMARS MANIE、KEN WHEEL、ムロのアルバムでよく見掛けるJBMやESSENCIALといった若手などなど、たくさんのMC、DJが参加していて、若手に関してはこれ以上ないほどのフックアップになっていると、僕は思います。こういうところもDELIはすごいんだよなー。彼について僕はよく「プロ意識」ということを書きますが、どのMCも、単なる不良仲間でなく、他にない世界観をもっていて、そういう彼らの背中をこのように「DELI印」つきで押してやるというのは、とにかく自分の魅力、立ち位置というものを正確に、客視的に自覚していないとでき
ないことです。これはDABO然り、ZEEBRA然り。後輩から慕われるわけですよ。
これだけメンバーがいると全員が全曲に参加するというわけには当然いかないので、基本的にはジャケット上部に写る六人(左からKEN WHEEL、MARS MANIE、YAKKO、DELI、MIKRIS、DABO)を中心として曲は制作されています。これまでにもくりかえし書いてきたけど、僕はニトロが好きだし、あとの三人の若手MCも非常に評価しています。だから理屈からいっても「tsucchiniはTEAM 44 BLOXが好きである」のだけど…。いやー、一曲目の「WELCOME TO MY HOOD」を初めて聴いた瞬間が忘れられないですよ。毛穴全開、呼吸困難、全身硬直。耳に入る音楽以外の、世界が全部消えてなくなってしまう感触を久しぶりに味わいましたよ。このとき、僕はあるビジネスホテルで働いていて、僕は接客が苦手なので(だったらなんでこの仕事選んだのかってはなしだけど…)、このバイトのある日はいつも緊張して胃の調子が悪くなるくらいだったので(ホテルの泊まり客って、よくわかんないけど、全員やたらに横柄
なんですよね)、いつもこのアルバムを持って歩いてました。まあ、気分的な問題なんですが。
MCひとりひとりについて語るときりがないのでそれは今度にするとして、とにかくこのアルバムは、ジャズや歌ものも含めて、僕のもっているあらゆるCDのなかでも最高レベルの出来にあるとおもいます。
