さくらももこ | すっぴんマスター

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(※注:ゲーム攻略サイトではありません)書店員。読んだ小説などについて書いています。基本ネタバレしてますので注意。気になる点ありましたらコメントなどで指摘していただけるとうれしいです。

さくらももこって、つっこみ体質ですよね。『ちびまる子ちゃん』のあの、アニメではキートン山田がやってるところ、あれ、考えたらつっこみなんですよね。暴走しかけたおはなしを一言で整合する…。お笑いやる人は頭いいって言いますが、ボケ側の人に天才肌は多いかもしれないけど、つっこみの人は理知的に頭よくないとダメなんでしょうね。乱暴にいえば小説家がボケなら批評家はつっこみでしょうか(笑)さくらももこも芸術家タイプっていうよりは、どっちかっていうと勉強できるっていう感じなんじゃないかな(まるちゃんはナマケモノだけど)。批評家・つっこみ体質が優れた小説を書けないってわけじゃないですよ。たとえば太宰治なんて、実験的なことやってもわりと自覚的で(当たり前か)、自分の作品についてのもっとも厳しい読者だったんじゃないかと思います。
キートン山田のとこ以外でも、たまちゃんは完全にまるちゃんの世話役ですよね。およしなさいよまるちゃん、っていうシーンよく見ます。他にも、ライダースナック事件の回で男子と女子がケンカすることになり、丸尾くんが女子側について、男の子にかかっていくとき、「うぉーっ!たーっ!」って絶叫して、それを見て男子のひとりが顔にタテセンいれて「ヘレン・ケラーかよ…」ってつっこんでるところ…。普通でてこないよなー、ウォーターでヘレン・ケラーは…。
僕はちびまる子ちゃん大好きですけど、9巻くらいからちょっとダメなんですよね…。アニメが先に立ってるからかな。1~5巻あたりは最高におもしろい。つっこみが満載!まるちゃんや父ヒロシや、おじいちゃんやら初期の(かっこよくないころの)花輪くんやら、それをいろんなキャラに憑依して顔にタテセンいれながらつっこむさくらももこ…。フィクションとノンフィクションのさじ加減も最高で、さくらももこさんもこの形式思いついたときは、さぞわくわくしたことでしょう。
あとこのころのコミックスが好きなのは、ほのぼの劇場が入ってるからかな。一度村上春樹の言葉を好きになってからは小説じゃなくても彼の文章が少しでも入っていれば福音みたいに読めてしまうのと同じことでしょうか。でも投稿時代のエピソードとか貧乏ネタとか、すごいおもしろいと思うな~。