美香茶楼旧第二友栄楼

 

 

「橋本の香」の数軒先に、

元妓楼の第二友栄楼があります

立派な門構えの妓楼ですが、こちらは、ごく一般的な妓楼だとか

 

「橋本の香」と同じオーナーさんが、クラウドファンディングで資金を集めて

中国茶カフェ「美香茶楼」にリノベーションしました

 

 

 

奥に日の丸が見えます日本

戦地に赴く兵隊さんのために、置かれていたそうです

 

あふれる昭和感

なぜか百恵ちゃんの写真が・・・赤いシリーズの作品かな

 

鮮やかなグリーンの壁は新しそう

 

 

 

Y字形に交差する階段 

遊女たちが階段を駆け上がる姿がよぎります

 

2階はカフェになっています

 

 ↑ここは何に使われていたのでしょう

 

 様々なタイル

その種類にも驚きます

 

洗面所の可愛いタイルは、おそらくリノベーション後のものかと思われます

 

「明るい家族計画」の自販機としては

これ↑が最も古い、と仰るオーナー

 

産兒(産児)調節 性病豫防(予防)

貴下ノ衛生  保健ノ為ニ

と書かれています

なんとなーく男性目線!プンプン

 

 


西幸福楼

こちらも欄干の木枠が素敵です

 

鍾馗(しょうき)さん、いました

鍾馗さんは、中国で疫病神を追い払い、魔を除くと言う神です (コトバンクより引用)

 

鯉谷楼

こちらの屋根にも鍾馗さん

スワイプしてよく見たら、邪鬼を踏んでるみたい

 

写真を撮っていなかったのですが

左奥の窓の透かし彫りはです🐟

鯉、お客さん来い来い、そして恋・・・?

 

多津美旅館 旧いろは楼

現在は旅館として営業中です

泰山タイルが多く使われているらしく、

また来ることがあったら、ぜひ中を見学したいラブ

 

多津美旅館は、元ダンスホールでした

ホールで気に入った女性とお二階へ

 

黒壁が印象的な旧石季楼 

 

加嶋楼 

こちらは個人宅として使われているようでした

 

美しいステンドグラスが組み込まれています

新しそうです

そばで見たい!

   

↑右側は旧久保田楼

奥は旧辻井楼 現在は酒店です 

 

こちらも民家

木枠、くもりガラス、そして裸電球の取り付け口

これらに強く惹かれてしまうのは、なぜだろ

  

川の堤防そばに

橋本の渡し場の石碑があります

 

柳谷わたし場

山さき あた古 わたし場

 

調べてみたら

柳谷とは長岡京の柳谷観音のことでした

 

江戸時代は、門前町として栄えました

門前町の茶屋娘は、別の接待もしていました

 

舟は、対岸から大勢の旦那衆を連れて

橋本に渡ってきたのでしょうか

画像はパブリックドメインRより

京都名所之内淀川」歌川広重


 

橋本の渡し場は昭和37年(1962年)まで

使われていたそうです

 

かつては妓楼が立ち並び、

多くの遊女が、手招きをして誘っていたであろう、

こちらの本通り

最盛期の夜は大勢の客たちで溢れかえり

「男の川」と呼ばれるほどであったとか

 

現在は空き地や廃墟が目立ち、

駐車場や新しい住宅が点在しています

 

川沿いから見る遊郭の裏側

淀川にせり出した部屋の窓辺で

風に涼む、痩せた遊女の姿が目に浮かびます

 

手前の元妓楼

瓦が落ちかけています

もう朽ちてしまう寸前です

光と影の、これが、歴史を経た現在の姿なのです

 

 

2024年3月7日

 

 

◆あとがき◆

今回の記事を書くにあたり、多くの資料やSNS、各ブログを参考にさせていただきました

 

現在、橋本では町歩きツアーが人気で、キャンセル待ちが出るほどとのことです

遊郭建築の美しさは独特で、これからインバウンドも増えることでしょう

一方で、遊郭の存在を忘れたいという住民も多く、遊郭にまつわる石碑の扱いをめぐり、2020年に論争が起こり、碑は移設される結果となりました

 

様々な意見、想いがあります

私は、ここで生きてきた多くの遊女ひとりひとりの大切な人生を、ずっと忘れてはならないと感じました

 

美香茶寮 

京都府八幡市橋本小金川中ノ町22

090-8375-8761

見学料1000円 要予約