橋本の香(旧三枡楼)

 

明治から戦後にかけて

ここ京都府八幡市にある橋本は、多くの旅人で賑わう遊郭でした

 

京都から京阪電車で行くと、橋本のひとつ手前の駅が石清水八幡宮、次の駅はもう大阪府です

 

橋本駅で下車すると、石碑が目に入ります

橋本渡舟場三丁とあります

(一丁は109m)

 

この先には淀川があり

そこに渡し舟があった事がわかります

 

橋本は、石清水八幡宮の門前町としての役割もあった町

 

駅前の民家

二階の手摺に擬宝珠(ぎぼし)が付いてる!

透かし彫りも裸電球もある!

これはもう、いかにも、と思ったら、やはり

宝春楼という元妓楼でした

 

チューリップ赤妓楼と遊郭(遊廓)の違いがよくわからない・・・

遊郭とは

公娼を集めて、塀などで囲んだ区画のこと

妓楼(ぎろう)とは

遊女を置いて客を遊ばせることを業とするのこと

(参考 Wikipedia、weblio辞書)

 

松竹梅の透かし彫りがある3枚ガラス戸 

元は嶋辻楼という妓楼でした

 

足元のタイルがおしゃれ

 

駅から2〜3分で到着

三枡楼

旅館橋本の香です

 

取り壊し寸前のところを、中国出身の現オーナーが買い取り、修繕をして保存しています

現在は、中国漢方エステと旅館を営まれています

  

2段式の上り框(かまち)

楼の主人は腰窓を開けて客の姿を確認し、

下に降りておもてなししたそうです

 

1階は主の部屋

2階が小部屋になっています

 

橋本には高級妓楼が二軒あり

三枡楼はその内の一軒だったそうです

もう一軒は、最近取り壊しされたそうです 

  

このタイルの、なんて鮮やかな事 ラブラブ

 

曇りガラス戸の部屋が、遊女たちの待合室でした

遊女を描いた掛け軸は、当時のままだそうです

 

2階へ上がると

美しいステンドグラスに驚きます

 

 

 

 

 

唐傘天井の一種なのかな

 


 

遊女たちはこの窓に座り

通りを歩くお客に向かって

手招きしていたのだとか

 

下部には4色の色ガラスがはめ込まれていて

小部屋を妖しい色に照らします

 

2階には16部屋の小部屋があったそうです

 

一番人気の遊女が使っていた部屋

館内で最も広いそうです

  

下部は、べんがら塗りでしょうか

 

橋本遊郭は、最盛期の昭和12年には、貸座敷が86戸、芸妓3名、娼妓675名が在籍していました

675名って・・・タラー

 

どれも素敵なガラス戸 

 

お客様が鉢合わせにならないように 

館内には全部で3ヶ所の階段があります

客の行き、帰り、そして遊女のための階段です

 

厠の床タイル

 

トイレ前の洗面所脇のすりガラス

あずき色が上品です

 

階段を降りて1階へ

ここにも、

ため息が出ちゃう素晴らしいステンドグラスがキラキラ

 

洗濯機が二台置かれていて、

どうしても写真に写り込んでしまいます・・・笑い泣き

 

 中庭が見える

 

同じステンドグラスを見て、遊女たちは何を想う?

 

外から見るとこんな感じで

雑然とした中庭です

この中庭を中心に、コの字形に部屋が並んでいます

 

一階は楼主のスペースです

壁一面のタンス

オーナーが譲り受けた時には、

タンスの中身(帳簿、写真など)も残っていたとか 

 

 金庫

 



2024年3月7日訪問



「橋本の香」を最初に知ったのは、

1年半前に読んだSleep50%さんの記事でした

京都に行く機会があったら必ず訪れたいと、ずっと思っていました


華やかで美しく、でも儚くて哀しい世界

幼い遊女たちは、ここで何を想い生活していたのでしょうか


*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…


次は、「橋本の香」のオーナーさんがクラウドファンディングで資金を集めて、中国茶カフェにリノベーションした元妓楼を訪ねます


橋本の香  

京都府八幡市橋本小金川2

090-8375-8761

素泊まり宿泊可

見学は1ヶ所1000円