通りすがりの塀考察


通りすがりの塀考察。

こだわりのある塗装屋さんであれば、皆している考察です。

自分ならどう対処するか、なぜこうなってしまったのか、考えることで未然に防ぐ方法や工法を常に考える癖をつけてゆきます。
 
小さい頃、オヤジがそうして私に教えてくれました。

さて、写真は他社施工の塀。

Uカットをしてシーリング施工、その後樹脂モルタル修正、塗装と進んでいる事が見て取れます。

しかしひび割れは再発し、一部剥がれた箇所からエフロエッセンス(コンクリートの溶解液)が出ているのが見て取れました。

あとはそのUカットが水みちとなってしまったようです。

一番の問題


塀の天板から入水するケースはメジャーで、この部分に防水塗装等を施し、止めるのが一番安全です。


ただ、塀本体の色と違うものとなってしまうため、嫌がった設計の方が塀と同じ外壁材で塗る指定にしたのかもしれません。


ただ、その場合にも方法はあるので、予算的に無理だったのか無知であったのかでしょう。


写真は入水口となります。



黒ずみは雨道

常に最後まで湿潤して水捌けが悪くカビが発生していることが見えます。これが強いか弱いか、あとはひび割れ幅が上でおおきく、徐々に収束している形。


水が塗膜内を伝わる様子です。

逃げ道を失った湿気と水は次の段のひび割れ部分で排出、排出しきれないものが塗膜裏に残り膨れを誘発しています。

膨れは塗膜内部湿潤した水分が太陽光に熱せられて蒸気となり、体積が増えて塗膜を押し上げている様子です。膨れ部分には湿気溜まりがあります。

今回はUカットが水道となる

ひび割れの補正方法としてUカットやVカットで切除した後、シーリングを打ち、その後樹脂モルタルで塞ぐという方法がありますが、今回は雨の入口の処理を誤った事で雨水の通り道となってしまい、行き着く先でエフロを発生、ヒビの再発や膨れを引き起こしていました。

ほんの些細な事が全体のを崩してしまうことは塗装工事ではよくあることです。

塗装工事を依頼する際に何処に頼んで良いのやらと悩まれる方は沢山いらっしゃるかと思いますが、しっかりと情報発信されている塗装店にまずはご相談をして、その説明が納得行くのか否か、細かくしっかりと説明してくれるのか、見てくれるのかを最初の判断材料として、広告や営業マンの不確実な情報や口車に乗らないように正しい判断をしていただければと思います。

今回は街歩きの際にとても気になる不具合を見つけたため、その素材を使った考察を行いました。