今日は私の見た夢の話をさせてください。



うちにいつも手伝いに来てくれていた菅谷さん(私はおっちゃんと呼んでいました)が昨日の夢に出てきました。

喧嘩っぱやくて口が悪い昔の職人だったけれど、芯は優しくて不器用で、子供のいないおっちゃんは私を「邦っ」と呼んで可愛がってくれました。



夢の中では私がおっちゃんの足場組みの手伝いに。

大型免許も持っていて、運転がすごくうまかったおっちゃん。

トラックに資材を積み込み、おっちゃんの運転するトラックに乗り込み、風を感じながら現場に向かうところで目が覚め。。。



短い夢でしたが、おっちゃんは元気そうで、昔よりも穏やかな顔でした。


私は小さい頃、おっちゃんの手元で手伝いもしましたし、車の運転も足場もおっちゃんに教わり、転落経験のあるおっちゃんの注意喚起はいつも怒鳴り散らしでしたが、そのくらい大切に思ってくれていたんだなと今は懐かしく思います。


晩年足場から落ちて体調を崩してしょんぼりしていたおっちゃんを見かねたオヤジが『うちに手伝いに来い』と世田谷区用賀のアパート工事に呼んで。

屋根塗り中に雨が降ってきて、足を滑らして身動きが取れず、這いつくばりながら梯子に向かう私を腹を抱えて笑っていたおっちゃん。

この日がおっちゃんの最後の姿になりました。

後日、朝約束の時間に現場に来ないおっちゃんに、胸騒ぎのしたオヤジと共に自宅に向かうと、既に弟さんと警察が。


首吊り自殺でした。

 
その日のうちに桐ケ谷斎場に三人で向かい、おっちゃんの亡骸を拾い、その場で弟さんと別れました。


その後連絡が取れず、今、おっちゃんかどこで眠っているのかはわかりません。


ただ、私を見守ってくれているんだなと感じました。

今日は仕事が終わったら、おっちゃんに献杯して、お酒を飲んで魂を弔おうと思います。

今日はおっちゃんの魂も背負い、怪我に注意しながら作業に当たります。



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