こんにちは。ただの地理好きです。

 

前回は、四国で平家の落人伝説が残る地に

ついて、どんな場所なのかを見てきました。

基本的には、非常にアクセスしづらい場所でした。

人里はなれた山奥のほうが、討手に探し当て

られにくいですから、当然といえば当然でしょうか。

 

平家の落人伝説は、北は東北から

南は沖縄に至るまで、全国で70か所以上とも

言われる数が残っています。

多すぎ?という感もなきにしもあらずですが・・・。

外部に漏れないように完全に身分を隠していた

人たちもいるかもしれませんので、実際はさらに

多いのかも?

 

さて、今回は四国以外の平家の落人伝説が残る

場所の中から、地理の視点から気になった土地を

みていきたいと思います。

 

 

1か所目は【福島県檜枝岐村】です。

気になった理由は、その立地です。

福島県の南東の端に位置し、新潟県、群馬県、

栃木県との県境にある村です。

尾瀬への福島県側の玄関口でもあります。

有数の豪雪地帯で、面積の98%が山林という

とても山深い場所です。

車でアクセスできるのが国道352号1本と

なっており、まさに秘境とも言えそうな場所。

その秘境感に惹かれた訳です。

 

しかし、温泉やスキー場もあり、観光に力を

入れていて、旅館や民宿も沢山あります。

温泉が村内ほぼ全ての家庭に供給されている

とのこと。いつでも温泉に入れる。素晴らしい。

朝起きて温泉、夜にもまた温泉とか夢のよう・・・。

 

JAストアーやガソリンスタンドがあり、

生活にまったく不便な場所というわけでは

なさそうです。

自然の中で子育てをしたい、ということで

子育てのために村に戻ってくる人も増えていると

以前にテレビで見た記憶があります。

 

平家の落人とされる「平野」姓が残っており

さらに勢力争いに敗れた藤原氏の一派が

落ちてきたり、戦国時代の武者も落ちてきたりと

様々な勢力の隠れ里になっていたようです。

確かに、これだけ他地域から隔絶された

アクセスしにくい場所であれば

なかなか見つかりにくい場所だと感じます。

昔であれば、冬は雪に阻まれてまったく

行くことができなかったでしょうし。

 

 

それでは、2か所目に行ってみましょう。

2か所目は【福井県大野市】です。

鉄道では越美北線で福井市からアクセスできます。

 

大野市にも「倶利伽羅峠の戦い」や

「壇ノ浦の戦い」で負けた平家の人たちが

落ちてきて住み着いた集落だった場所が

あるそうです。

現在も「平家平」の名前が残っています。

岐阜県との県境に「平家岳」もありますね。

 

大野市は、その中心は大野盆地にありますが

四方を山に囲まれた自然豊かな場所です。

九頭竜湖や九頭竜ダムは有名かと思います。

 

大野市の中心部、亀山にある越前大野城は

城下町が雲海につつまれ、いわゆる「天空の城」

となることがあり、その光景は圧巻です。

(実際に見たことはないのですが・・・。)

 

大野市の特徴は何といっても水が美味しいこと。

(実際に飲んだことはないのですが・・・)

山に囲まれているため地下水が豊富で

上水道普及率が極端に低いのです。

令和元年度でなんと38.2%!

(福井県ホームページ

市町別水道/市町別水道普及率より)

ほとんどの家庭は井戸水を使っているそうです。

 

町のいたるところに水が湧いている湧水スポット

があり、美味しい水が味わえる場所もあります。

毎日飲む水が美味しいのはうらやましい。

水が美味しいと、水を使う料理も美味しく

なりそうですね。

 

 

興味のおもむくままに、平家の落人伝説が残る地を

2つ紹介してまいりました。

落人たちはとにかく討手から逃れるために

山深い場所に入るでしょうから、現代でも

交通の便としては不便な場所と

言えるかもしれません。がしかし、だからこそ、

魅力のある場所とも言えるかもしれませんね。

 

各家庭に温泉、そして美味しい地下水・湧き水と

都市に住む人たちにとってはうらやましい限りの

環境かもしれません。

多少不便でも精神的な豊かさがあるような気が

します。

 

平家落人伝説の地はまだまだ沢山ありますが

当ブログではいったん終わりにしたいと思います。

(と言っておいて、興味が惹かれる場所があれば

また書くかもしれません。)

次回は別のテーマで書きたいと思いますので

よろしくお願いします。