こんにちは。
このブログは、地理から考えるブログ-チリカラ-
と題して、自分の興味あることについて
地理や地形の視点から考えていきたいと
思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、第1回目のテーマは、「みかんとお茶」です。
前々から、みかんとお茶って栽培している
地形が似ているなあとなんとなく思っていました。
日当たりのよい傾斜地でよく栽培されています。
みかんはかなり急な斜面にも畑があり
茶は緩やかな傾斜の場所や平らな場所にも
あったりと、少し違う場所にあるという印象ですが
日当たりの良い斜面という共通点があるなあ。
南のほうの府県で栽培が盛んだなあ。
でも、静岡県や佐賀県・福岡県など、
みかんもお茶も生産量が多い県もあれば
愛媛や和歌山=みかん、鹿児島=お茶など
どちらかの生産が盛んな県もあります。
なぜなんでしょう?
今回はその辺を考察していきたいと思います。
みかんの生産量が多い都道府県
●和歌山、愛媛、静岡、熊本、長崎、
佐賀、愛知、福岡、広島、三重など
全部が海に面している県ですね。
海に面した傾斜地にあるみかん畑は
テレビ等でよく見る光景です。
お茶の生産量が多い都道府県
●静岡、鹿児島、三重、宮崎、
京都、福岡、奈良、佐賀、熊本など
こちらは京都、奈良など内陸にある
都道府県もあります。
みかんの栽培に適した条件を調べてみると
●温暖な気候 ●日当たり良好 ●水はけがよい
●風が弱い という条件が挙げられます。
お茶の栽培に適した条件は
●温暖 ●降水量は比較的多く必要
●水はけの良さと適度な保水性
●昼と夜の寒暖差がある
というような条件があるようです。
(亜熱帯性の植物なんですね。)
水はけがよい=傾斜地、温暖=南のほうの府県
という共通項がありそうです。
温暖で日当たりがよく、水はけがよい、
という条件を兼ね備えているため
「南向き斜面の傾斜地」が格好の栽培場所
となりそうです。
水はけの良さとある程度の保水性を兼ね備えて
いればお茶の栽培には適しているようで
平坦な場所にも茶畑は多いです。
みかんは海からの風に運ばれたミネラルたっぷり
の土壌がいいんだとか。
お茶は、昼と夜の寒暖差が大きいとおいしくなる
という条件があるため、内陸(京都の和束や
福岡の八女など)にも有名な産地があると
考えられます。
と、ここまで調べてきたところで疑問が・・・。
静岡はお茶もみかんも栽培が盛んなのに、
愛媛や和歌山ではお茶の栽培が盛んでないのは
なぜなんだろう?
これは降水量の問題ですかね。
静岡県は太平洋側の気候で降水量が多いのに対して
愛媛県や和歌山県は瀬戸内の気候なので
降水量が少ないから、でしょうか?
調べてみますと
静岡市の年間降水量は2324.9mm
(気象庁1981年~2010年の平均より)
和歌山市の年間降水量は1316.9mm
(気象庁1981年~2010年の平均より)
愛媛県松山市の年間降水量は1404.7mm
(気象庁 1991年~2020年の平均より)
となっていて、データ上でも
降水量が大きく違うのがわかります。
みかんは柑橘類なので降水量が多くなくてよい
のに対して、お茶は降水量が必要。
ということで、1件落着。
静岡県でも、みかんの産地で有名な浜松市は
年間降水量が1809.1mm
(気象庁1981年~2010年の平均より)
と静岡市よりはだいぶ少なくなっていました。
みかんの産地は降水量が少ないようです。
同じ静岡県でも気象条件によって
作り分けていると考えることが出来ます。
鹿児島は降水量が多いですから、
みかんの栽培には向いてなく、
お茶の栽培に向いているということですね。
まとめてみますと、みかん、お茶ともに
日当たりのよい温暖な水はけがよい場所が
生育に適しているため、「南向きの斜面」が
適した場所ではあるが、それぞれの生育に
適した条件に違いがあるため
●みかんは、海沿いや川沿いの南向き傾斜地
降水量は少なくてよい(少ないほうがよい)
●お茶は、日当たりが良い場所(平地でもよい)
内陸で寒暖差があるところがベスト
さらに降水量があることも条件、ということに。
なんとなく、似た地形の場所で栽培されてるなあ、
と感じていましたが、調べてみると当たり前ですが
違いがある、という結果になりました。
今回は、ここまでで終わりにしたいと思います。
今後も様々なこと(地理に関することだではなく)
について地理を通して考えていきたいと思います。