「あいちトリエンナーレ2016」のご報告 | 鳥の保護活動/TSUBASAみらくる日記
2016年10月15日(土) 08時06分02秒

「あいちトリエンナーレ2016」のご報告

テーマ:レスキュー

いつもありがとうございます。TSUBASAの松本です。

 

愛知県で開催されています「あいちトリエンナーレ2016」の豊橋市で開催されているイベントについて、10月12日に現地に行き可能な限りの対応をしてきましたのでご報告致します。

 

●イベントの概要

●現代美術(国際展)ラウラ・リマ

http://aichitriennale.jp/2016/artist/lauralima.html

 

●作品のコンセプト

「4階建てのビル室内で小鳥を100羽放し飼い、来場者は鳥のための空間に入っていく体験」という作品です。

 

 

「あいちトリエンナーレ2016」は8月11日から10月23日までの開催ですが、先週くらいから「鳥の扱い」についての批判が相次ぎ、いわゆる「炎上」状態になりました。

 

TSUBASAにも愛鳥家の方から情報やご相談をいただき、私たちも水面下で問題点を探り、改善の糸口を検討していました。

 

検討の結果、早急に現地を視察しなくては、と思った矢先、開催事務局からもご相談のお電話があり、現地に赴くことにしました。

 

現地入りは10月12日(水)。

毎週水曜日は定休日ということで、事務局のほうでも大掃除を行うことになりました。

 

まず、会場1階において動物取扱責任者を始めとする開催事務局側5名と、有志で大掃除ボランティアを申し出たバードライフアドバイザー(2級、3級)5名、そして私(松本)で協議しました。

 

協議の結果、以下の主催者側サイトに掲載されている内容を実施しました。

http://aichitriennale.jp/2016/info_lauralima.html

 

主催者側サイトでは伝えきれなかった内容を補足として、会場の入り口からの解説を交えながら実施したことをお伝えしたいと思います。

 

●1階受付での手指消毒

(改善前)

 手指の消毒液がありましたが、「お願い」するにとどまっていた。

(改善後)

 手指の消毒の徹底と、なぜ消毒するかというPOPを掲示

POP例

「入場の際は、中の鳥を守るために消毒をお願いします。お帰りの際にはご自身の健康とお家で待っているペットのために消毒をお願いします。」

 

●二重扉内での靴底の消毒

(改善前)

 なし

(改善後)

靴底が消毒液で浸かるトレーを用意。

靴底の消毒の徹底となぜ消毒するかというPOPを掲示

POP例

「(手指の消毒の文章とほぼ同じ)」

 

(真ん中のトレーに消毒液が入っています。前後のマットは濡れた靴底を拭くためです)

 

●1階スペースへの鳥の出入りを封鎖

(改善前)

鳥が自由に出入りできる

(改善後)

1階は室温が他の階より低く室温調整が難しい。これからの時期、夜間は急激に冷え込むので万全を期して、鳥が出入りできないように封鎖しました。

封鎖をするために1階から2階の階段手すり部分にネットを張りました。

(応急措置なので見た目はよくありませんが、何卒ご了承願います)

 

(1階から2階に鳥が移動しないようにネットを張っているところです。応急処置ですので見た目がよくありませんが何卒ご了承願います)

 

●2階〜4階の清掃方法

(改善前)

朝1回、1時間程度の掃き掃除と目立つところのみ次亜塩素酸水での拭き掃除

(改善後)

大掃除でしっかり清掃できた状態を保つため、朝の掃除も掃き掃除+拭き掃除を行う。

また1時間に1回以上は拭き掃除を行う。

拭き掃除に使う消毒液は全て次亜塩素酸水を使う。

 

(拭き掃除の様子)

 

●4階北側部屋の清掃方法

(改善前)

人が入りきれないほど多くの止まり木が密集。人が入れないので慣れていない鳥の逃げ場になっていました。そのためほとんど掃除ができません。

 

(改善前は入り口付近しか掃除ができませんでした)

 

(改善後)

掃除をする人が奥まで入れるように、止まり木を大幅に間引きしました。

 

(間引きをして奥まで掃除ができるようにしました)

 

●浴室、トイレの封鎖

(改善前)

鳥も人も自由に出入り

(改善後)

ご覧いただく方への感情に配慮することと、死角になるので鳥の盗難防止も含めて封鎖しました。

 

●屋上の封鎖

(改善前)

鳥も人も出入り自由

(改善後)

とても素晴らしい環境ですが、鳥達が私たちの目では見つけきれない網の隙間から出られることがわかりました。鳥が出られるということは、外敵であるヘビやイタチなどが出入りできます。鳥が出られる隙間を探すより封鎖を選択しました。

 

●食事について

(改善前)

粟のみ(数日前から殻付きMIXシードとボレー粉が追加)

(改善後)

殻付きMIXシードを中心に粟とボレー粉を混ぜる。

粟しか食べられない鳥もいるかもしれないので、すべて撤去することは避けました。

お世話する人がわかりやすいように分量は次の通りにしました。

殻付きMIXシード8:粟1:ボレー粉1

さらに青菜として豆苗を水盤に立てました。

 

(改善をしましたら、すぐ文鳥が食べにきてくれました。私たちの気持ちがわかる子ですね)

 

●食器について

(改善前)

作者の意向もあり深さがある茶碗を使用しました。

 

(改善前の食器と床の汚れ)

 

(改善後)

茶碗は殻付きMIXシード中心になると、食べ残しのシードの殻が上積みされ、下の方にあるシードが食べにくくなります。

そのため広くて浅いバットに変更しました。

 

●健康管理は?

(改善前)

受付以外(鳥がいる部屋)にスタッフがいませんでした。

(改善後)

常駐スタッフを増員。開催初日から常駐するスタッフに健康チェックを担当してもらいました。

健康チェック担当スタッフは1時間に1回以上の拭き掃除を兼ねています。

健康チェックの指針はバードライフアドバイザー3級認定講座の第2部(命を守る)の資料を渡し、事務局にレクチャーしました。

(健康チェックをする担当スタッフは定休日でしたので直接レクチャーできなかったのは心残りです)

 

●環境管理は?

(改善前)

気温に応じて、窓の開け閉めで調整していました。

(改善後)

各部屋に温度計を設置。健康チェックスタッフが定期的に温度を確認し、20度を下回ったときは4階南側にあるエアコンを作動させます。

体感で寒いと感じたり、鳥が寒そうにしていたら、室温に関わらず保温をしてもらうようにしました。

また夜間は必ず窓を閉め、4階北側のエアコンを作動させます。

残念ながら全ての部屋にエアコンがついていませんので不安ですが、暖かい所と、そうではない所を、鳥達が温度勾配をうまく活用してくれることを期待します。

 

●体調に異変を感じたときは?

(改善前)

特になし(異変に気付けなかった!?)

(改善後)

鳥が診れる動物病院もしくはTSUBASAに相談してもらうようにしました。

 

*今回、体調が思わしくなさそうな鳥を5羽保護し、動物病院で診察をしてもらった後、バードライフアドバイザー宅で看護しています。

 

●この状態を維持するには?

動物取扱責任者にできるだけ来ていただき、上記の改善が守られているかどうかをチェックしていただくことになりました。

 

●開催が終わった後、残った鳥達は?

事務局のサイトに書かれてある通り、引き取り手がない鳥達はTSUBASAが現地において出張MTBを開催する予定です。

 

●疑問やご意見があったとき

(改善前)

なし

(改善後)

会場出口にご意見箱を設置しました。

来場者の率直なご意見を伺うことで、すぐできる改善や今後に繋げたいと思います。

 

●私たちの想い

事務局から相談を受けたとき最初にご提案したのは、イベントの中止と鳥達の保護でした。しかし、残念ながら提案が通りませんでしたので、限られた時間の中で、最善を尽くしたつもりです。

私は芸術のことはわかりませんが、そもそも尊い命を弄ぶ造作は芸術なのでしょうか?

また芸術のほうが命より優先されるのもおかしいと思います。

 

いまから「もし」は通用しませんが、「もし」愛鳥家の気持ちを事前にヒアリングができていれば、尊い命を失うことを最小限にできたと思います。

 

あと約10日間の会期がありますが、全ての鳥達が元気であることを願うとともに、亡くなった鳥達に心からご冥福をお祈りします。

 

最後にこのことをいち早く取り上げ、具合の悪い子の保護や診察看護などを献身的に行っていただいたバードライフアドバイザーのSさんに心から御礼申し上げます。

また、急遽仕事を休んで現地で合流したバードライフアドバイザーの皆さん、ほんとうにありがとうございました。

 

事務局の皆様にはせっかく大掃除をしてきれいにしていただきましたので、その維持と改善した運営方法をしっかり守っていただきたくお願い致します。

 

私の正直な気持ちとして、1日間という限られた時間の中でしたので、やり残し感がかなりあります。

時間が許せば、私自身が現場に立ち、鳥達の健康チェックや拭き掃除をしたい気持ちです。

改善が不十分であることは承知していますが、まずは鳥達が健康で元気でいられるように、これからもサポートしていきたいと思います。

 

長い文章になりましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

急に冷え込んでまいりましたので、愛鳥さんや皆様もくれぐれも体調には気をつけてくださいね。

 

(改善後の様子)

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