注意(設定)
ナチュラルに組織壊滅後&赤井と降谷が恋仲。
スパ以外はR要素は匂わせる程度でほぼないですが
設定から二次創作(むしろ妄想)なので腐要素等々地雷の方は要回避。
目を覚ました時、降谷の目に映ったのは見慣れた寝室の淡いクリーム色の天井だった。
なぜ自宅に…?、自分は職場にいたはず…、と
寝起きのぼやけた頭をなんとか巡らそうとしていると、
降谷が答えにたどり着く前にある声が耳に飛び込んできて、降谷の頭は一気に覚醒させられた。
「おはよう、零君。」
「あ、赤井…!? なんでっ…」
突然の恋人の登場に、目は覚めたものの未だ頭の中は大混乱の降谷だが、
赤井はそんな降谷の様子に構いもせず話しかけてくる。
「寂しいな零君。久しぶりの帰宅なのに『おかえり』の一言もなしか?」
「あ、え、えっと…おかえり、なさい…。」
「あぁ、ただいま、零君。」
おずおずと口にした降谷に、赤井は穏やかな声で返してくれた。
しかし、降谷は自らの背に冷や汗が流れるのを感じていた。
何てことない普通の会話。
なのに、いつもは心地よい赤井の低音が、今は地の底から這い上がってきたかのようで、その響きが恐ろしい。
そんな降谷の心中を知ってか知らずか、赤井は更に続けた。
「何故今君がここでこうして寝ているのか。気になるだろう?
ここに至るまでの経緯を話してあげよう。」
問いかけていながら有無を言わさない圧力に、降谷はただ頷くしかなかった。
「空港に着いてメッセージを送ったが返信が来なくてな。
運転中かと思ってしばらく間を空けて再度送ってもレスポンスがない。
君の仕事のことだから、緊急のことでメッセージを見る余裕がないのかもしれないと、
とりあえず一度電話をかけてみようと電話をした。
そうしたら、電話に出たのは君ではなくて風見君だった。」
「えっ…」
「そこで風見君から、君が職場で倒れて、病院で君に付き添っていると聞いた。
それで、朝倒れてすぐ病院に運ばれ、まだ眠っているが落ち着いたようだから
迎えに来てくれないかと頼まれてな。
タクシーで病院まで行き、風見君が君の車を病院まで回していてくれたから、
眠った君を乗せて俺が君の車を運転してここまで帰ってきたというわけだ。」
「そんな…僕、全然気づかなくて…」
赤井の説明を聞きながら、降谷はだんだん俯きがちになる。
赤井に面倒をかけてしまったことや恥ずかしさから顔が熱くなっていくのを感じる。
「相当疲れていたんだろうな。車に乗せるときも、運転しているときも、
たまに寝息を立てることはあっても、ほとんどは泥のように眠っていた。」
「そう…ですか…すみません、貴方も帰国したばかりで疲れているのに、手を煩わせてしまって…」
「そんなことはどうでもいい。それよりも、零。」
「っ…」
降谷の謝罪は一蹴され、さらに一段低い声で名を呼び捨てで呼ばれた。
赤井は普段「零君」と君付けで呼ぶ。突然の変化に、降谷はビクッと無意識に肩を震わせた。
「こうなった原因についてだが。」
「そ、れは…」
来た。避けては通れないと分かっていたものの、いざこの話題になると今すぐこの場から逃げ出したくなる。
降谷が口籠もるが、赤井は容赦ない。
「俺に順を追って説明してくれないか。」
「っ…そ…」
説明すれば、自分の不甲斐なさを改めて自覚させられるような気がして、
説明しなければと思いながらも音にならない。
しばしの葛藤の末、口をついて出たのは最悪とも言える悪手な言葉だった。
「それは、どうせ風見から事細かに聞いてるんでしょう?
別に僕から同じことをもう一度説明する必要ないと思うんですが。」
「ほぉ?」
その瞬間、赤井の眉間に皺が寄るが、こうなると引けないのが降谷の悪いところだった。
「風見のことだから余計なことまでベラベラ話したでしょう。
隅から隅まで知ってるくせに、
知らないふりして僕の口から説明させて僕の足りなさを詰るつもりですか。
相変わらず性格悪いですね、赤井。」
口をつくのは心にもない棘のある言葉ばかり。
自分では止められなくなって、憎まれ口とは相容れない辛そうな顔をしているのを本人は気が付いているのか。
赤井はため息をついて、それから一拍おいて口を開いた。
「オーバーワークだそうだな。」
「…それは違います。」
「風見君が言っていたよ。
今週、君は不自然なほどに熱心に働いていたそうじゃないか。睡眠も食事も蔑ろにして。」
「食事も睡眠も計算して取っていました。」
「仮にそうだったとしても結果倒れたんだからそれは『計算していた』とは言えないな。」
一刀両断され、反論する前に次の言葉が降ってくる。そして。
「風見君によると、君は金曜の定時に上がることに異様に執着していたようだったとのことだった。それは…」
「っ…」
来てしまった。一番触れられたくなかったところに。
赤井との約束を何としてでも守りたかった、赤井に仕事が出来ない奴だと思われたくなかった、
そんな、自分でもどこかで自覚していた子供じみたプライドが理由だなんて、そして……。
そんなこと、恥ずかしくてとても言えない。
「俺との約束のためか。」
「っな…」
そして遂に来た核心をつく質問に、
素直に首肯するのを拒否する心がとんでもない爆弾を赤井に投げつけてしまった。
「何言ってるんですか。そんなわけないでしょう。僕が金曜定時上がりに執着してた?
風見の気のせいですよ。あいつが早く帰れ早く帰れうるさいから
『金曜は定時に上がる』と何度も説明していたのをきっと勘違いしたんです。
僕が集中して仕事をしていたのは、一刻も早く目の前の仕事を片付けるため、ただそれだけです。
この僕が一個人との約束のためにオーバーワークした?思い上がらないでください。」
頑なでどこか辛そうな表情は仮面のように降谷の顔に張り付き、剥がれない。
口から滑り出す言葉は何もかもが不本意で、それでももう止まらない。
「大体、さっきから風見が言っていた、風見にこう聞いた…。風見の話を全部鵜呑みですか?
あいつが必要以上に心配性でお節介なのは貴方も知ってるでしょう。
あいつが話を大袈裟にしている可能性も考えずに…素直なことですね。
貴方は僕の言い分より風見を信じるんですね。」
「!」
その瞬間、赤井の手がぬっと伸びてきて、降谷の顎を掴んだ。
終始俯き、一度も赤井と目を合わそうとしなかった降谷だが、無理矢理赤井の方を見させられる。
「っ…何するんですか。」
「今のは聞き捨てならないな。俺はいつでも零、君のことを信じているさ。誰よりも。」
強制的に合わせられた瞳。強い光を放つ瞳に見据えられ、言い切られた言葉の真っ直ぐさに
先ほど自分が俯いたまま吐いた言葉と嫌でも対比させられ、たまらなくなる。
「…離してください。」
「だが、今回のことは、それとこれとは話は別だ。
君を信じないで風見君を信じる、そうではない。
何故なら風見君から聞いたのは彼の『言い分』ではない。客観的な『事実』だ。
事実に信じるも信じないもないだろう。」
「っ…」
「しかし、俺は当事者の零。君から『事実』を聞きたかった。だから先ほど説明するよう頼んだのに、
君はいつまで経っても意地を張って突っぱねて心にもないことを言うばかり。」
そして、突然足にかかっていた布団をまくり上げられ、
腕を取られたかと思うと、引き寄せられるその様に、耳元で断罪された。
「タイムオーバーだ、零。今日は泣いてもらうからな。」
そして気づけば降谷はベッドに腰掛けた赤井の膝に乗せられていた。
バチィィィンッ
「っあぁぁっ!」
バシィィンッ バシィィンッ バシィィンッ
「っく…赤井、離してください、赤井!」
「…さて。今日の零はずいぶんときかん坊だからな。
素直にお話して俺の話を聞き、仕置きを受けられるようになるまでどれだけかかることやら。」
履いているものはさっさと取り上げられ、平手打ちは素肌への強烈な1発から始まった。
陶器のように滑らかな肌に平手の跡が浮き上がり、更にそれを塗りつぶすように容赦のない平手が飛んでくる。
バシィンッ バシィンッ バシィィンッ
「いっ…あかっ…やめろっ…!」
身をよじって、手足をばたつかせ、何とか抵抗と反撃を試みる降谷に、赤井は呆れたようにため息交じりで諭した。
「本当に今日は悪い子だな、零。この状況下でその態度は、自分で自分の首を絞めるようなものだ。」
その瞬間。
バッチィィィィンッ
「~~~~ああぁぁ!!!???」
今まで過去に受けたことがある中でも一番といえる渾身の平手。
あまりの威力に焼け付くような熱さを伴った痛みを感じ、降谷が怯んだ一瞬の隙に、
赤井は降谷の両手を取って、その手首を何故か用意されていたネクタイで縛り、
その先をベッドのヘッドボードの装飾で空いている隙間に通してくくりつけた。
仕上げにと、両足を挟みこまれ、全く身動きが出来ない状態が完成。
鮮やかな手際によるあっという間の出来事で、降谷が我に返ったのは完璧に拘束された後だった。
「な、な、なにしてっ…」
「零があまりに暴れるからだろう。」
「だからってこんなっ…このドS野郎…っ」
バチィィィンッ
「うぁぁっ」
「今度は口から暴言か。ならそこに猿ぐつわでもかませるか。」
「!?」
冗談だろう、いくらなんでも…。
しかし、降谷の思いとは裏腹に、更にもう一本赤井がネクタイを手に取り、眼前にそれが差し出された。
「零、口を開け。」
「や、…」
「零。」
圧を込めて名を呼ばれ、ついに降谷は陥落した。
「や、やだっ…赤井、待ってっ…」
「…」
「もう悪態つかないからっ…ちゃんと、ちゃんとしますっ…」
「…二度目はないぞ。」
ようやく少しはおとなしくなったか、と赤井は内心息をつきつつ、
猿ぐつわにしようとしたネクタイを降谷の視界に嫌でも入る目の前に置き、仕置きを再開した。
バシィンッ バチィンッ バチィンッ
「それで? どうしてこんな無茶をしたんだ。」
バチィィンッ
「うくっ…それはっ…」
再び口籠もる降谷に、また粘るか、とその頑なさに感嘆しながら、
赤井はそれなら…と、違う叩き方で攻めた。
パァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッ
「あぁぁぁぁぁっ!!!???」
息もつかせぬ10連打に、降谷は暴れられもしない挟み込まれた足をばたつかせもがいた。
頭を振ったら涙がパタパタとベッドシーツに散った。
雨のように痛みが降り注ぐ連打が降谷は大の苦手だった。
初めてされた時にはその瞬間大暴れの末に大泣きし、
あっという間に赤井にはこれが嫌だということは看破されてしまった。
「ほら零。素直にならないともう一度だぞ。」
「っく…ぇっ…」
「零。」
「ふぅぅ…」
涙声を漏らすばかりで未だ口を割らない降谷に、赤井は全く…忠告はしたからな、と再度腕を振り上げる。
パァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッパァンッ
「やーーーっ!! ごめっ…ごめっ…なさぃぃっ」
再びの衝撃に、たまらず降谷が口にした謝罪の言葉。
いつもなら強情を張り続け最後にようやっと呟く言葉を早々に出した辺り、本当にこの叩かれ方は苦手なのだろう。
しかし、今は謝罪を求めていたのではない。
「零。まだ『ごめんなさい』の時間じゃない。俺はどうしてこんなオーバーワークの無茶をしたのか聞いている。」
「ぐすっ…だって…っく…」
赤井の手がポンポンと規則的に、既に紅く色づいた降谷の尻を平手で軽く撫でるようにはたく。
いつでも凶器にできるぞ、と暗に脅されているようで、
先ほどの連打の嵐の威力も手伝って、降谷はいよいよ話すしかなくなった。
「仕事…終わらなかった…」
「…そうか。」
「途中まではっ…途中までは、計画通りだったんです…でも、急な仕事があって…」
いつもの仕事ペースだと、終わらないと思ったから…。
言い訳じみていることは自分が嫌というほどわかっている降谷は、言葉尻が消えていくのを止められない。
「この仕事。急な変更や飛び込みなんて日常茶飯事だろう。
俺も零も、互いの仕事で急に会えなくなったことなんて一度や二度じゃない。」
「わかってます、でも…」
赤井の諭すようなお説教に、降谷は「でも」「だって」と子供じみた反論や言い訳が浮かんでくるのを必死で押し殺す。
ただでさえ膝の上で尻を叩かれる、なんていう子供にするようなお仕置きを与えられて恥ずかしさでいっぱいなのに、
もうこれ以上、子供っぽい所業で恥の上塗りをしたくない。
「一言相談してくれればよかっただろう。別に今回は、1日2日でとんぼ返りするような帰国でもないんだから。」
「それくらい、頭では分かってますっ…」
したくないのに…。
「なら…」
「それでも、貴方に約束通りの時間に、すぐに会いたかったんですよ!!」
降谷は、存外感情的な人間なのだった。
「それがいけないことですか!?
『急に仕事が立て込んでしまって、迎えに行くのは難しそうです、先に帰って休んでてください』、
そんな連絡くらい、僕だってすぐに思いつきますよ、でも送りたくなかったんです!
僕が多少無理すれば間に合うって分かってたから! 倒れたのはちょっと予想外でしたけど…
確かに貴方に仕事できない奴って思われるのが嫌だとか、
あんなに任せとけって言っておいて恥ずかしい、とかって思ったのも事実ですよ、
僕が無駄にプライド高いって、それは認めます。
でも、結局は、仕事を少しでも早く片付けて、文句言わせないレベルに仕上げて、
誰にも邪魔されない状況にして、一刻も早く貴方に、赤井秀一に会いたかったんです、悪いですか!?
っていうかそれぐらい僕に言わせなくても分かるだろ、天下のFBI捜査官なんだから、
ほんと性格悪いなこの野郎!」
「…」
突然の勢いに呆気にとれられたような赤井をよそに、
勢いでまくし立てた後の降谷は、フーフー、とネコが毛を逆立てるような様子だった。
身をよじって言葉を投げつけ、最後に呆けた表情の赤井を睨み付けると、
姿勢を戻し、そこで目に飛び込んできた猿ぐつわ用のネクタイ。
降谷は自分の表情は見えないであろう赤井にもはっきり分かるくらいビクッと体を震わせてしまった。
「あっ…やっ…」
二度目はない、そう言って目の前に置かれたネクタイ。
しかし、あまりにも勢いで、最後は小っ恥ずかしくて「この野郎」とか言ってしまった。
焦って弁解しようとすると、しかし、赤井は暴言に怒った様子ではなく、肩で笑いを堪えていた。
「ククッ…今のは暴言には入らんよ、零。かわいい告白だった。」
「なっ…べ、別にそんなっ…貴方がしつこく聞いてくるからっ…なんで無茶したのかって!」
「あぁ、そうだ。最初からあれだけ素直に話せていたら、
本題のお仕置きの前にここまで痛い思いをして泣かずにすんだのになぁ。」
「っ…」
既に大分赤く腫れた尻を撫でられて、降谷は身じろぐ。
分かっていた。ここまでの仕置きは強情な自分に口を割らせるためのもので、
白状してのここからが本当の赤井のお仕置きだ。
今までそれで何度泣かされたことか。それでも最初から素直になれないのが降谷だった。
「零。俺に会いたいと思ってくれるのは嬉しい。
俺も、いつだって零。君に会いたいと思っているし、時間が作れればこうやって帰国する。
俺だけではなく、零もそう思ってくれているのは素直に嬉しい。
だが…だからといって無理はいけない。
駆けつけてくれたことが嬉しくても、連日徹夜してやつれた顔の零を見たら嬉しさよりも心配が先立ってしまう。
俺が会いたいのは健康で元気な零なんだ。」
「そんなこと…分かってますっ…」
「頭で分かっていても、体が動いてしまう、か?
なら、次は自然にストップをかけられるようにたっぷりここに教えておいてやらないとな。」
ここ、と言われてはたかれたのは、当然、先ほどから既にたっぷり痛めつけられている場所。
腰を押さえる手と、足を挟みこんでいる赤井の足の圧がぐっと強くなるのを感じ、降谷は慌てて口を開いた。
「ひっ…待って、謝ります、ごめんない、反省もします、だからどうか…」
いくら降谷だってこのまま終わり、なんていくはずないとは覚悟していても、
改めて「たっぷり」なんて宣言されたら怖くもなるもので。
酷くしないで、そう言おうとしたのに。
しかしその言葉は紡がれる前に、赤井の厳しい平手の音にかき消され、
そこからはもう、意味のある言葉は声にならなかった。
「赤井のバカ…なにもこんなにっ…」
結局、そこから100発近く叩かれた降谷は、
最後にはもう痛くて痛くて恥も外聞もなく「ごめんなさい」だの「許して」だの連呼していた。
ようやく膝から下ろされ、手首の拘束を解いてもらってベッドでお尻と手首を冷やしてもらいながら、
少しずつ頭が冷静になれば出てくるのは恨み言だ。
「だからそれは零君が最初に素直になれなかったからだろう?」
「素直にするためにこのやり方ってどうなんですか、
仮にもFBI捜査官ならもっとうまく誘導したらどうなんですか。」
「残念ながら、お尻ペンペン以上に零君を素直にする効果てきめんな方法は見つけられていなくてね。」
「なっ…貴方はっ…よくもそんな恥ずかしい言葉をぬけぬけと…っ」
「恥ずかしい? あぁ、『お尻ペンペン』か。別に言葉自体は恥ずかしくないだろう。
自分が子供のようにお尻ペンペンされているのを思い出したり想像したりするから恥ずかしくなるんだ。」
「もう黙れっ…」
「黙らせたいなら、口を塞げばいいだろう。こんな風に…」
「んっ…ん……っ、ちょっと、何うまいこと言ったつもりですか、
意味不明発言ですからね、ただしたかっただけでしょう!」
「もちろん。君はしたくないのか?」
「そんなことは言ってません!」
「…なら、いいだろう。」
「ちょっ…んんっ…」
このまま雪崩れ込んでしまい、
結果風見に連絡を入れるのが翌朝昼近くになってしまった降谷は、
電話越しに1時間近くお説教された末、
降谷が倒れたことを風見が黒田に報告した瞬間、黒田が何故か持っていた「降谷」印を使って
金曜から土日挟んで3日間の有給をあたかも降谷が申請したことにし、
その場で自分が決済印を押していた、ということを聞かされた。
黒田がこんな手段をとった、ということは絶対に出てくるな、休め、っていうことですからね!と
語気を強めて風見は電話を切ったが、降谷の疑問は一つ。
「なんで『降谷』なんて印鑑持ってるんだ…?」
「そういえば、人気らしいぞ、『降谷』の印鑑。」
「はぁ?」