「ひーくん、お祭り行こっっ」
「・・・お祭り? ・・・って、こんなやり取り前もしなかったか?」
夏休み直前の7月半ば。
いつぞやの如く、洲矢がニコニコ笑顔で仁絵を誘う。
「そうそう、八幡神社の夏祭り! 今週の3連休にあるやつ!
この辺じゃかなり大きくて有名なんだよっ 花火大会もあるしっ」
「いや、それは俺も知ってるけど・・・」
この辺りで生まれ育てば、
街が1年の内1,2を争う程盛り上がる夏祭りはいやでも認識する。
「僕と惣一は毎年行ってるんだけど、皆で行ったことないじゃん、だからっ」
そう言ってつばめも飛びついてくる。
重い、引っつくな、とつばめをいなしながら、仁絵はつばめの背後を見やった。
「はぁ・・・ 夜須斗も・・・って、その顔は説得済みか。」
盛り上がる洲矢・つばめ・惣一の背後で、
やれやれ、といった表情の夜須斗を見て、仁絵は苦笑する。
「・・・分かったよ。行く。」
「やったぁぁぁっ!!!」
「つばめうるさい・・・」
仁絵の返事に飛び上がって喜ぶつばめの大声に、夜須斗が顔をしかめる。
洲矢も更にニコニコ笑顔になって、はしゃいで仁絵に話す。
「一緒に浴衣着てこーねっ ひーくんっ」
「は? 俺、浴衣なんて持ってねーけど・・・ 実家じゃねーし・・・」
戸惑う仁絵に構わず、洲矢は自信満々の様子で言った。
「大丈夫大丈夫! 待ち合わせ、僕の家にしよっ ちょっと早めの時間にっ」
「・・・え?」
「お、おぉぉ~~~」
「うっわぁ、すっごい・・・」
「・・・何だよ、そのリアクション・・・」
夏祭り当日。
待ち合わせ場所に洲矢と共に現れた仁絵の姿に、惣一とつばめは息を呑んだ。
紺地に控えめに白の蝶と紫の朝顔があしらわれた浴衣に身を包んだ仁絵は、
さながら・・・
「マジで女みてぇ・・・」
「あ゛あ゛?」
しみじみ呟いた惣一の一言を聞き逃さず、仁絵が睨むと、慌てて惣一が弁解した。
「怒んなって! どっちかってゆーと褒めてんだよ!」
「どっちかって言うと、って惣一・・・(苦笑)」
夜須斗に苦笑いされ、惣一がだってよ、と続ける。
「その辺にいる女子より美人に見えるのがいけない! 浴衣だって女物だし!」
惣一の発言に、仁絵は「はぁ?」と呆れ気味に言う。
「これは男物だ、女物とは作りがちげーよ!」
え?そーなの?と惣一に聞かれ、洲矢がうん、と苦笑気味に答える。
「元々はばあやが若い頃に着てた浴衣だから、柄がちょっと可愛い感じだけどね。
仕立て直したから、形は男の人用になってるよ。」
今日の昼、洲矢の家に呼び出された仁絵はそのまま家に連れ込まれ、
洲矢の祖母の手であれよあれよという間に採寸され、
気づけば自分用の浴衣が仕立て上がっていた。
「っていうか、それはしょうがないとして、トドメはどう考えてもその髪型でしょ。」
夜須斗が苦笑して仁絵の髪を指さす。
「しゃーねぇだろ、浴衣でいつもみたいに下ろしてたらそれこそ変だし何より暑ぃ・・・」
仁絵の長い金髪はいつものようにサラサラなびいてはおらず、
ねじり上げて簪で留められたアップスタイルになっていた。
簪はジャラジャラと飾りのついたものではないシンプルなものだったが、
通常女性がするような髪型であり、浴衣の柄と相まって女性っぽさに拍車を掛けている。
「簪もばあやの持ってる中で一番地味なの選んだんだけどね・・・」
ひーくん美人さんだから・・・と洲矢にまで言われ、
仁絵はため息をつくが、惣一が更に言う。
「いやぁ、マジで別人みてぇだわ、普段も顔だけはキレーだけどよ・・・」
「もういいだろ、しつこい。・・・まぁ、別人に見える方が好都合だしな。」
「え、どゆこと?」
惣一をあしらいながら放った仁絵の言葉につばめが首をかしげると、
仁絵はうんざりしたように言った。
「こーゆー祭とか、不良の大好物だからな。
一方的に俺の顔知ってる奴結構いるかもしんねぇの。」
仁絵の言葉に、惣一があー、確かにと頷く。
「去年も祭りの終わりがけに不良同士の乱闘騒ぎとかあったもんなー」
仁絵はそれを聞いてそこに巻き込まれる自分を想像したのか、不機嫌そうに舌打ちした。
「こんな人目多いところで絡まれたら、
いつもみたいに適当に失神させて離れるって方法も使えねぇし、
だったら女でも何でも別人に見える方がマシだ。」
「そ、そっか・・・」
いくら見た目が絶世の美女でも、中身はいつも通りの仁絵だった。
「で、とりあえずどこ回るの? 花火まではまだだいぶあるけど・・・」
神社の鳥居をくぐり、屋台列の始まり辺りに差し掛かって夜須斗が問いかける。
現在時刻は夕方5時を回ったところ。
花火大会は夜の8時からで、まだ3時間近くある。
「とりあえず飯食おうぜ! 俺焼きそば!」
「僕たこ焼き!」
はいはい、と手を挙げて食べたいものを宣言する惣一とつばめに、夜須斗がため息をつく。
「お前ら好き勝手言い過ぎ・・・」
はぁ、と呆れた様子ながらも、夜須斗はそれじゃ、と気を取り直して指揮をとる。
「とりあえず役割分担しよう。
惣一、5人座れるようなテーブル席とっといて。今の時間ならまだとれるはずだから。
場所とれたら俺らにLINEで連絡よろしく。」
「ラジャ!」
「残り4人は分担していろいろ買おう。
とりあえず俺が焼きそば。つばめはたこ焼き?」
「うんっ」
夜須斗に問われ、つばめは笑顔で大きくうなずく。
「仁絵と洲矢はそれ以外でなんか適当に見繕って買っといて。お金は後で割り勘で。」
「りょーかい。行こう、洲矢。」
「あ、うんっ」
こうして、5人は分担ごとに散り散りになっていった。
15分後、惣一がとった席に広げられたのは・・・
「お前ら買いすぎ・・・(呆)」
話に出ていた焼きそば、たこ焼きのほかに、
イカ焼き、フランクフルト、焼きトウモロコシ、じゃがバター、唐揚げ、チョコバナナ、リンゴ飴と
定番の屋台の食べ物は全制覇の勢いのラインナップだった。
「食い切れんの、これ・・・
っていうか俺焼きそばしか買ってないのに、残り3人でどんだけ買ったんだよ。」
夜須斗が疑いのまなざしをつばめに向けると、つばめはえー、違うよ、と反論する。
「僕だってたこ焼きとイカ焼きとじゃがバターしか買ってないよ!」
「いや、1人でそんだけの種類5人分買ってれば大概でしょ。でも、ってことは・・・」
夜須斗の視線の先には、洲矢と仁絵。
夜須斗と目が合った洲矢は、恥ずかしそうに照れ笑いする。
「・・・えへへ、ちょっと買い過ぎちゃった。」
「洲矢が迷って決められねぇって言うからしょうがねぇだろ。」
「ハハハ・・・」
気持ちいいくらい開き直る仁絵に、夜須斗は乾いた笑いを漏らした。
「ま、食べ始めりゃ意外と食えるって! 食うぞー!」
惣一のこの言葉が号令になって、5人は一斉に食べ物に手をつけ始めた。
机の上はさながらフードファイトのようだったが、
中学生男子の食欲とはすごいもので、
惣一の言葉通り、ものの30分ちょっとで机の上の食べ物は大体平らげられていた。
「ふーっ、食った食った! よっし、腹ごしらえにゲームに行くぞーっ」
「おーっ!」
「元気だねぇ、今食べたばっかりだってのに。」
「ひーくん、夜須斗っ 行こっ」
「わかったわかった。」
あっという間に駆けていってしまう惣一とつばめを追うため、
洲矢に急かされた夜須斗と仁絵は漸く立ち上がり、また屋台の波に突入していった。
まず5人が訪れたのは金魚すくい。
ここは夜須斗の独壇場だった。
「だーっ 破れた!」
「僕も・・・一匹もすくえなかっ・・・って夜須斗!?」
肩を落とす2人の横でまだすくい続けていた夜須斗の手に持った器の中には・・・
「1,2,3,4,5,6・・・7!? もう7匹!?」
そんなことを言っている間にもう1匹すくい取り、合計8匹の金魚が器の中を泳いでいる。
「すごいすごい! 夜須斗上手だね!」
「さっすが、無駄に器用だな。」
ここでは背後からの見物に回っていた洲矢と仁絵にそう評され、
夜須斗は「無駄に、は余計」と言いつつ、
まだ破れていないポイと金魚の入った器を屋台の店主に差し出す。
「おっちゃん、もういいよ。」
「おう、金魚もいいのかい?」
「いいよ。持って帰ったって育てらんないし・・・あ。」
夜須斗は、横目でちらっと
一生懸命とりやすそうな金魚を探して水槽とにらめっこしている小学校1年生ぐらいの子供たち3人を見る。
3人中2人のポイは既に破れていて、まだ金魚は1匹しかすくえていないようだ。
「よかったらそいつらにオマケしてやって。1人1匹はもらえるように。」
「いいのっ!?」
「おにーちゃんありがとうっ」
「・・・別に。じゃ。」
ヒーローを見るかのようなキラキラとした目で見つめられて、気恥ずかしくなったか、
夜須斗はそそくさと立ち上がり、その場を離れていった。
が、すかさず惣一に追いつかれ、からかわれるのだった。
「よっ、かっこつけっ」
「馬鹿、んなんじゃないし・・・っ」
「よーし、次行ってみよー!」
次に訪れたのはダーツ。
今度は活躍したのは仁絵だった。
与えられた5本の矢、全てが的に当たり、全てがほぼ中央寄り。
「俺のこと無駄に器用とか言ったのはどこの誰だっけ」
「ハハハ・・・」
「すごいすごい! 百発百中!」
「ひぇーっ、兄ちゃんうっまいねぇ! よっしゃ、商品選びな!」
店主が、おもちゃやお菓子が並んだ商品棚を指し示す。
いやー、俺は・・・と仁絵は一瞬遠慮がちになったが、
横ですごいね、さすがだね、とはしゃいでいるつばめと洲矢を一瞥して、声を掛けた。
「お前らなんか好きなの選んどいて。」
「えっ!?」
「いいのっ!?」
そして2人が嬉々として選んだのが・・・
「つばめのスナック菓子は分かるとして、洲矢、そんなんでいいのかよ。」
「えへへ、わざわざちっちゃい子たちに混ざって並んで買うのはちょっと恥ずかしくって。」
洲矢は某有名猫キャラクターのお面をもらっていた。
まさかのチョイスに仁絵は驚いたが、まぁ、似合ってるからいいか、と1人で納得した。
「よっし、次は射的ーっ 早速並ぼ・・・ってあれ?」
「全然並んでないね、毎年大行列なのに・・・」
屋台ゲームの花形、射的の屋台には例年たくさんの人の列が出来ているのだが、
今年は何故だか列が出来ていない。
遠目から見える様子では、
惣一たちと同い年ぐらいの少年5人程が騒々しいくらいわいわい言いながら射的をしているだけだ。
「ほんとだー、なんで・・・」
「お兄ちゃんたちも射的やりたいの?」
不思議がる惣一たちに話しかけてきたのは、
先ほど金魚すくいの屋台で出会った子供たちだった。
「僕たちもやりたくて、さっきまで並んでたんだけど、
あのお兄ちゃんたちがいつまで経ってもどいてくれないんだ。
もう一回、もう一回、ってずーっとやってて。」
悔しそうにうつむく子供たちの言葉を聞いて、つばめは憤慨する。
「えーっ、何それっ ふつー最初にお金払った回数やったら後ろ並び直すでしょっ
っていうか回数上限あるんじゃないのっ」
夜須斗は屋台の少年たちの顔を伺い、何かを悟った様子でため息をつく。
「大方店主がびびって文句言えないんでしょ。もしくは言おうとして一蹴されたか・・・」
「は?」
首をかしげる惣一に、夜須斗は少年たちの方へ顎をしゃくる。
「あいつらの制服見なよ、天開(てんかい)中。」
「天開中・・・? あー!!
去年、この祭りの終わりに神社で乱闘騒ぎ起こした主犯校の1つ!」
「あの事件で祭関係者に天開中の話は知れ渡っただろうし、
なのにこれ見よがしに制服なんて着て祭に来てるあたり・・・」
「確信犯、だろうな。
店主のおっさんテキ屋に珍しく気弱そうだし、あいつらのあの態度見てても。」
困った様子の店主の顔と、
ギャハハと下品に騒ぎ、ノロノロと射的を続ける少年たちの様子は遠目でも分かる。
仁絵が表情を険しくすると、惣一も、何だよそれ!と怒り出す。
つばめは一番に怒り出してからずっと怒っている。
「ちょっと待って、まさかケンカ売ったりしに・・・」
不穏な空気を感じ取り、ちょっと落ち着け、と夜須斗が
中でも今すぐに飛び出して行きそうな惣一とつばめに釘を刺そうとした時だった。
「やっぱり・・・」
「え?」
「やっぱりずるいよ! 僕言ってくる!」
「あ、待ってよマサシ!」
小学生の男の子のうちの1人が射的の屋台に向かって飛び出して行った。
続いて他の2人も行ってしまう。
突然のことに反応の遅れた5人は、我に返って顔を見合わせる。
「や、やばくねぇ?」
「惣一行こっ!」
「あ、おい、あんまり騒ぎ大きくすんなっ・・・」
子供たちを追うように行ってしまった惣一とつばめの背に、夜須斗は慌てて声を掛ける。
「ひーくんは、行かないの?」
「あの程度の奴らなら、惣一とつばめがいりゃ大丈夫だろ。まぁ・・・」
洲矢に尋ねられ、仁絵は不機嫌そうな顔のまま、ボソッとそう答えた。
「夜須斗の助け船はいるだろーけど。」
「そーいうの全部俺なのやめてほしーんだけど・・・」
仁絵に視線を投げられ、夜須斗はため息をつくのだった。
屋台の方では、駆け寄った小学生たちが威勢よく少年たちに話しかけた。
「お兄ちゃんたちっ 僕たちもやりたいんだからそろそろ終わりにしてよっ」
「そうだよっ 僕たちさっきずーっと並んで待ってたのにっ」
「あ、君たちよしなさ・・・「あ゛ぁ? んだよこのガキ共・・・」
店主が制止しようとしたが一歩遅く、射的をしていた少年のうちの1人が小学生たちの方を向く。
「だからっ さっきからずっとやってるじゃんっ もう替わって・・・」
「はーぁ? 俺たちは、ちゃんと金払ってやってんだよ!」
「ちょっとしかお小遣い持ってねー小学生のお子様はすっこんでろよっ」
「っ・・・!!」
「あ、あんたたちっ・・・」
「あ゛ぁ? なんか文句あんの? おっさん。」
「っ・・・」
酷い言葉を言い放たれ、泣きそうになっている小学生を見て、
さすがに店主が口を挟もうとしたが、5人の中でリーダー格っぽい少年に凄まれ、
また何も言えなくなってしまう。
重い空気が流れる中、その空気を断ち切ったのは・・・
「文句・・・おおありだぁぁぁぁっ」
ドゴッ
「「「「「「!!!!」」」」」」
「うぐっっっ」
「ツヨシ!! てめぇぇぇっ 何しやがるっ!!」
「お前らこそちっちゃい子に何してんだ・・・よっっっ!!」
「ってぇぇっ」
飛び込んできた惣一とつばめによって、
5人の内2人の腹と臑にそれぞれ惣一のパンチとつばめのキックが入る。
そして突然のことに混乱したか、一瞬生まれた相手の隙に、
すかさず駆けつけた夜須斗が割って入った。
「はい、とりあえずストップ。」
「夜須斗っ・・・」
夜須斗に手で制止の合図をされ、
長年の付き合いですり込まれた条件反射で惣一が構えていた拳を下ろす。
しかし、相手方はこの間に我に返り、すぐに夜須斗に殴りかかんとした。
「てめーら、マジでふざけんな・・・今すぐここで・・・」
しかし、夜須斗は余裕さえ感じさせる態度で冷静に言った。
「乱闘? 出来るの?
こんな祭のメインストリートで、しかもこれからどんどん人が増えてく最中に。
やってもいいけど、俺らよりまず先に関係ない人たちに被害が出ると思うけど。」
「っ・・・」
「あんたら天開中でしょ。さすがに2年連続乱闘騒ぎはまずいんじゃないの?
去年のことを受けて、警察の補導部隊も増員されてるって噂だって、耳に入ってるはずだし。」
「てんめぇ・・・」
相手のリーダー格っぽい少年が悔しそうに歯ぎしりをしている。
夜須斗に図星を突かれたようだ。
「分かったら、この射的、もう終わりにしてくんない?」
「・・・チッ!! てめーら行くぞっ」
リーダー格の少年がそう言うと、他の4人も各々舌打ちをしながらその場を去って行く。
しかし、一番最後に付き従っていた1人が
「じろじろ見てんじゃねぇよ このガキがっ」
「いっ・・・たぁぁぁぃっ ふぇぇぇっ」
「ククッ」
「ッハー」
「ちょっとお前ら・・・っ」
「おいつばめよせっ・・・」
小学生の内の1人をもの凄い力で突き飛ばし、
その子は後ろにすっころんで強かに尻餅をついた。同時に肘もついて、肘からは少し血がにじんでいる。
それを見て突き飛ばした本人はニヤニヤ笑みを浮かべ、
リーダー格の少年他もいい気味だと言わんばかりに笑った。
その様子につばめがたまらず再び向かって行こうとするのを、夜須斗が止めようとした時だった。
「・・・あぁ? 何だよお前・・・」
5人の不良の前に立ちはだかったのは、不機嫌そうにその5人を睨む仁絵だった。
「ひーくっ・・・」
嫌な予感がして、最後まで少し離れたところにいた洲矢が駆け寄ろうとしたが、
しかし、その前に事件は起きてしまった。
「何睨んでんだこの女!!!」
「あっ・・・」
不良の言葉に、思わず洲矢が立ち止まって怯む。
そしてこの瞬間、4人は一斉に同じことを考えた。
((((あ、地雷踏んだ・・・))))
「・・・あ゛あ゛? だーれが『女』だってぇ・・・?」
次の瞬間には、あの恐ろしい「女王」の笑みを浮かべた仁絵の足下に、不良が1人転がっていたのだった。