「なんで!? なんでなんでなんで!?」
「はいはい、とりあえずお部屋行こうねー」
仁絵と歩夢を保健室に残して部屋に向かう間、つばめはずっと駄々をこねていた。
「はいはい、とりあえずお部屋行こうねー」
仁絵と歩夢を保健室に残して部屋に向かう間、つばめはずっと駄々をこねていた。
自分たちは何も悪いことをしていないのに。納得できない、と風丘に噛みついている。
惣一もそんなつばめの横であからさまに不機嫌そうな顔だ。
しかし風丘はそんなつばめの口撃を受け流し、
惣一の態度を気にも留めず、部屋へと歩を進めた。
惣一の態度を気にも留めず、部屋へと歩を進めた。
「はい、入ってー」
部屋に到着すると、風丘は4人とも中に入るように促し、
最後に自分が入るとドアを閉めて鍵をかけた。
「よし、じゃあ、こっちに来てー、気をつけっ。」
部屋の中央辺りまで来ると、風丘は自分の前の床を指して、4人をそこに並んで立たせる。
洲矢以外の3人は渋々といった態度だったが、一応指示には従った。
4人が並ぶと、風丘は穏やかな口調で話し始めた。
「まず最初に。今回俺は、『クラスの仲間を守ろうとした』っていう行為そのものについては
何にも責める気はないし、むしろ誇りに思うよ。皆よくやったね。」
風丘はそう言うと、4人の頭を順に優しく撫でた。
「んっ・・・」
「まず最初に。今回俺は、『クラスの仲間を守ろうとした』っていう行為そのものについては
何にも責める気はないし、むしろ誇りに思うよ。皆よくやったね。」
風丘はそう言うと、4人の頭を順に優しく撫でた。
「んっ・・・」
「な、なんだよっ」
「気味悪い・・・」
「先生・・・」
予想外の展開に、四者四様の反応を見せる4人。
予想外の展開に、四者四様の反応を見せる4人。
そんな様子にフフッと微笑みつつ、しかし少し空気を変えて風丘は「でも」と続けた。
「その結果は置いといて。ちょっとよろしくないことが4人ともあったんじゃないかな?」
風丘の問いかけに、惣一とつばめが即座に反応する。
「だからねえよ!」
「その結果は置いといて。ちょっとよろしくないことが4人ともあったんじゃないかな?」
風丘の問いかけに、惣一とつばめが即座に反応する。
「だからねえよ!」
「ないない!」
「…じゃあ佐土原からおいで。」
「え…あ、はい。」
しかし騒ぐ惣一とつばめをまたしてもスルーし、風丘は洲矢を呼んだ。
洲矢が進み出て風丘の元に行く。
「佐土原は何か心当たりある?」
風丘に問いかけられ、洲矢は風丘を見上げて答えた。
「えっと…はい。」
「はぁっ!?」
「…じゃあ佐土原からおいで。」
「え…あ、はい。」
しかし騒ぐ惣一とつばめをまたしてもスルーし、風丘は洲矢を呼んだ。
洲矢が進み出て風丘の元に行く。
「佐土原は何か心当たりある?」
風丘に問いかけられ、洲矢は風丘を見上げて答えた。
「えっと…はい。」
「はぁっ!?」
「なんでっ!?」
「はい、2人は静かにー」
洲矢の返事に何で、と疑問の声を上げる惣一とつばめを窘め、風丘は続けて尋ねる。
「何かな?」
風丘に尋ねられ、洲矢はゆっくり口を開いた。
「…先生に、黙ってました。今日の放課後のこと。昼休みにはもう計画してたのに…」
「はい、2人は静かにー」
洲矢の返事に何で、と疑問の声を上げる惣一とつばめを窘め、風丘は続けて尋ねる。
「何かな?」
風丘に尋ねられ、洲矢はゆっくり口を開いた。
「…先生に、黙ってました。今日の放課後のこと。昼休みにはもう計画してたのに…」
洲矢の答えに、風丘はゆっくりと頷く。
「うん。今回はたまたま俺もほぼ同じタイミングで知ったからよかったけど、
もし勝輝からの報告がなくて、
唯一…まあ、手段は何にせよ、ね。唯一の証拠も掴んで、問題に気付けた皆に、
俺の知らないところで黙って行動を起こされたら、俺はすごく辛いし悲しい。
俺の知らないところで黙って行動を起こされたら、俺はすごく辛いし悲しい。
…まあ、俺が感づかないのが悪いって言われたらそれまでだし、
担任である俺の力不足は完全に棚上げした理論だけど。」
風丘の言葉に、洲矢は首を振る。
「ううん、そんなことないです。…黙ってることが悪いことだって自覚はありました。
風丘の言葉に、洲矢は首を振る。
「ううん、そんなことないです。…黙ってることが悪いことだって自覚はありました。
昼休みには計画立ててたし。
先生に言わなかったのは…言ったら止められちゃうって思ったから。
だから、わざと黙ってました。
…僕も高藤君、ちょっと痛いことされてもしょうがないって思ったし。」
おとなしく乱暴事を好まない洲矢がこうまで考えていたことに少し驚きを感じつつ、
おとなしく乱暴事を好まない洲矢がこうまで考えていたことに少し驚きを感じつつ、
風丘は「そっか」と相槌を打った。
そして、洲矢の腕を取って自分の元へ引き寄せると、小脇に抱える。
そして、洲矢の腕を取って自分の元へ引き寄せると、小脇に抱える。
「ちょっとお仕置き、ね?」
「はいっ…」
いよいよ、と洲矢が体を固くすると、数秒後服の上から衝撃を感じた。
パシィィンッ
「んうっ…!」
服の上からなので鋭い痛みではないが、
それでも打たれて少しするとお尻がピリピリしてむず痒い感覚が広がった。
「はいっ…」
いよいよ、と洲矢が体を固くすると、数秒後服の上から衝撃を感じた。
パシィィンッ
「んうっ…!」
服の上からなので鋭い痛みではないが、
それでも打たれて少しするとお尻がピリピリしてむず痒い感覚が広がった。
衝撃に少しうめき声をあげ、この感覚に眉根を寄せた洲矢は次なる衝撃に備える。
・・・が、それはやってくることはなく、
頭を優しくポンポンと叩かれて我に返ると、
体を起こされ、お仕置きの態勢から解放されていた。
「…え?」
体を起こされ、お仕置きの態勢から解放されていた。
「…え?」
「「「…えぇ?」」」
洲矢自身も、待機させらている他の3人も呆気にとられていた。
洲矢自身も、待機させらている他の3人も呆気にとられていた。
明らかに今までで一番甘いお仕置きだ。
「え、せん…せい?」
「クスクスッ そんなポカンとした顔して。」
「だ、だって…」
1回だけ?、と素直に聞いた洲矢に、風丘はまたクスクス笑って、うん、と答えた。
「え、せん…せい?」
「クスクスッ そんなポカンとした顔して。」
「だ、だって…」
1回だけ?、と素直に聞いた洲矢に、風丘はまたクスクス笑って、うん、と答えた。
「まあ、そんなにものすごく悪いことじゃないし、さっきも言ったけど仲間を守るための行動だしね。
でも、友達のためだからってこれから何回も俺に黙って暴走されたら困っちゃうから。
だから、次は同じようにはしないでね、ってことでちょっとだけお仕置き。分かったかな?」
「…はい、ごめんなさい、先生。」
風丘の問いかけに洲矢がぺこりと頭を下げて素直に謝ると、
風丘は「はーい、いい子」と言って洲矢を抱き寄せてもう一度頭を撫でた。
「…はい、ごめんなさい、先生。」
風丘の問いかけに洲矢がぺこりと頭を下げて素直に謝ると、
風丘は「はーい、いい子」と言って洲矢を抱き寄せてもう一度頭を撫でた。
「フフッ…先生、くすぐったい・・・」
クスクスと笑う洲矢に、風丘も微笑むと、
洲矢を解放して未だポカンとしている3人に顔を向けて言った。
洲矢を解放して未だポカンとしている3人に顔を向けて言った。
「次は…太刀川かな。洲矢くんと同じだし。」
指名されたつばめは、先ほどの勢いはどこへやら、戸惑いからか、え…、と狼狽える。
「ぼ、僕、洲矢と一緒?」
「うん。」
「服の上から、1回だけ?」
「うん、そうだよ。」
「う…それはそれで恥ずかしくて行きづらい…っ」
大体抵抗して無理矢理履いている物を下ろされ、容赦なく引っぱたかれることの多いつばめは、
いつもと違いすぎるシチュエーションに戸惑いを隠せない。
後ずさりするつばめに、風丘は苦笑する。
厳しくすると言っても逃げ、1回だけと言っても逃げ、ではどうしようもない。
「こーら。素直に来ないなら1回追加っ」
「わぁっ! ちょっ、まっ…」
風丘は言うが早いかつばめの手首を掴んで引っ張ると、
素早く小脇に抱え込み、先ほどの洲矢と同じ体勢にしてしまう。
パシィィンッ パシィィィンッ
「ひゃぁぁっ いったぁぃっ」
「はい、おしまい♪」
手早く左右に1発ずつ打ち込むと、風丘はつばめを小脇に抱える姿勢から解放した。
「こーら。素直に来ないなら1回追加っ」
「わぁっ! ちょっ、まっ…」
風丘は言うが早いかつばめの手首を掴んで引っ張ると、
素早く小脇に抱え込み、先ほどの洲矢と同じ体勢にしてしまう。
パシィィンッ パシィィィンッ
「ひゃぁぁっ いったぁぃっ」
「はい、おしまい♪」
手早く左右に1発ずつ打ち込むと、風丘はつばめを小脇に抱える姿勢から解放した。
痛みというより呆然としてへたり込むつばめに、
風丘はしゃがんで目線を合わせながら頭を撫でる。
「正義感が強いのはいいことだけどね。次からはちょっとやり方を考えようか。出来る?」
「う゛ぅ゛・・・わかったぁっ」
風丘に窘めるように言われ、つばめは少し悔しそうにしながらも首を縦に振った。
すると、風丘はニコッと笑って、先ほどの洲矢と同じようにつばめを抱き寄せる。
「よし、いい子だねっ」
「わぁっ ちょっ 放してぇっ」
それからわしゃわしゃっと頭を撫でると、恥ずかしがって暴れるつばめを解放した。
風丘はしゃがんで目線を合わせながら頭を撫でる。
「正義感が強いのはいいことだけどね。次からはちょっとやり方を考えようか。出来る?」
「う゛ぅ゛・・・わかったぁっ」
風丘に窘めるように言われ、つばめは少し悔しそうにしながらも首を縦に振った。
すると、風丘はニコッと笑って、先ほどの洲矢と同じようにつばめを抱き寄せる。
「よし、いい子だねっ」
「わぁっ ちょっ 放してぇっ」
それからわしゃわしゃっと頭を撫でると、恥ずかしがって暴れるつばめを解放した。
そして、次に風丘が名前を呼んだのは・・・
「次は・・・吉野。」
「・・・」
名前を呼ばれ、夜須斗は無言で風丘に近づいた。
「・・・吉野は3発かな。」
「・・・内訳は?」
「次は・・・吉野。」
「・・・」
名前を呼ばれ、夜須斗は無言で風丘に近づいた。
「・・・吉野は3発かな。」
「・・・内訳は?」
「黙っていた時間が洲矢君やつばめ君より長い。昨日の段階で分かってたんでしょ。
その時の証拠の取り方も、手放しに評価できるものじゃないし。
その時の証拠の取り方も、手放しに評価できるものじゃないし。
それから昼休みの計画、先導したのは吉野でしょう?」
風丘に問いかけられ、夜須斗は悪びれずに肯定した。
「・・・悪い? 今日は頭の使い方間違えてないでしょ。」
風丘に問いかけられ、夜須斗は悪びれずに肯定した。
「・・・悪い? 今日は頭の使い方間違えてないでしょ。」
「クスクス、さすが。ちゃんと覚えてるね。
・・・だけど、っていうことは皆に、俺に諸々黙ってるように指示もしたんじゃない?」
「う・・・」
「だから3発。はい、おいでー」
「うぁっ」
・・・だけど、っていうことは皆に、俺に諸々黙ってるように指示もしたんじゃない?」
「う・・・」
「だから3発。はい、おいでー」
「うぁっ」
夜須斗も風丘と少し距離をとっていたため、つばめと同じように腕を勢いよく引かれ、
バランスを崩して体に力が入らない内に風丘の小脇に抱えられてしまった。
パシィンッ パシィンッ ・・・パシィィィンッ
「うっ・・・くっ・・・・・・ったぁぁっ」
今度は左右少し弱めの連打の後に、強めの1発がお尻の真ん中に落とされた。
最後の1発は効いたのか夜須斗は思わず声を上げた。
「はーい、おわりっ」
「・・・」
「あ、ちょっと待ってー」
「うわっ」
解放されて、無言で離れようとする夜須斗を風丘は引き留め、また腕を引いて引き寄せる。
パシィンッ パシィンッ ・・・パシィィィンッ
「うっ・・・くっ・・・・・・ったぁぁっ」
今度は左右少し弱めの連打の後に、強めの1発がお尻の真ん中に落とされた。
最後の1発は効いたのか夜須斗は思わず声を上げた。
「はーい、おわりっ」
「・・・」
「あ、ちょっと待ってー」
「うわっ」
解放されて、無言で離れようとする夜須斗を風丘は引き留め、また腕を引いて引き寄せる。
そして、先ほどの洲矢やつばめと同じく夜須斗の頭を撫でる。
「お、俺はいいからっ」
頭の上に置かれた風丘の手を、夜須斗は恥ずかしそうにして慌てて払いのける。
その顔は心なしか赤い。
そんな夜須斗の様子には構わず、風丘は穏やかに言った。
「やり方は置いておいて、記録として残る証拠をとってくれた夜須斗君の功績は大きいよ。
ありがとう。」
「っ!・・・お、俺は仁絵手伝っただけだし・・・」
「クスッ はいはい。」
明らかに照れている夜須斗の態度に吹き出しつつ、
風丘はポンポンと夜須斗の頭を優しく叩くと、背中を軽く押して戻らせた。
「よし、最後。新堂。」
「うぇぇ・・・」
嫌なことには嫌だが、皆がやられている中今更自分だけ逃げるわけにはいかない。
惣一は顔を顰めながら、風丘の元にのろのろ歩み寄った。
「新堂は5発。」
「はぁっ!? なんで俺だけっ・・・うぉっ」
パシィィィンッ
「ぎゃぁっ!」
「何回言わせるのかなー? ケンカ・暴力ダメだって。」
あっという間の早業で小脇に抱えられ、強めの1発目がお見舞いされる。
「お、俺はいいからっ」
頭の上に置かれた風丘の手を、夜須斗は恥ずかしそうにして慌てて払いのける。
その顔は心なしか赤い。
そんな夜須斗の様子には構わず、風丘は穏やかに言った。
「やり方は置いておいて、記録として残る証拠をとってくれた夜須斗君の功績は大きいよ。
ありがとう。」
「っ!・・・お、俺は仁絵手伝っただけだし・・・」
「クスッ はいはい。」
明らかに照れている夜須斗の態度に吹き出しつつ、
風丘はポンポンと夜須斗の頭を優しく叩くと、背中を軽く押して戻らせた。
「よし、最後。新堂。」
「うぇぇ・・・」
嫌なことには嫌だが、皆がやられている中今更自分だけ逃げるわけにはいかない。
惣一は顔を顰めながら、風丘の元にのろのろ歩み寄った。
「新堂は5発。」
「はぁっ!? なんで俺だけっ・・・うぉっ」
パシィィィンッ
「ぎゃぁっ!」
「何回言わせるのかなー? ケンカ・暴力ダメだって。」
あっという間の早業で小脇に抱えられ、強めの1発目がお見舞いされる。
惣一は手足をばたつかせるが、風丘は物ともしない。
「みっ・・・未遂だ、殴ってねぇ!」
パシィィィンッ
「うぁぁっ」
「・・・ふーん、そっか。
・・・まぁ、そうだろうね。あの状況下で殴ったとしたら、新堂は手加減なんてしないだろうし。
「みっ・・・未遂だ、殴ってねぇ!」
パシィィィンッ
「うぁぁっ」
「・・・ふーん、そっか。
・・・まぁ、そうだろうね。あの状況下で殴ったとしたら、新堂は手加減なんてしないだろうし。
高藤君の様子から、それはないって分かった。
だとしても、そういう問題じゃないんだよ。」
パシィィィンッ
「いってぇっ!」
「自分でも『未遂』って言い方するんだから、殴ろうとしたってことは事実なんだね?」
「ゲッ・・・」
風丘は惣一が高藤を殴ろうとした時には現場にいなかった。
パシィィィンッ
「いってぇっ!」
「自分でも『未遂』って言い方するんだから、殴ろうとしたってことは事実なんだね?」
「ゲッ・・・」
風丘は惣一が高藤を殴ろうとした時には現場にいなかった。
つまり惣一が「未遂」と口走るまで、確証はなかったわけで・・・。
墓穴を掘った、と惣一が顔を歪めるのを見て、風丘は苦笑する。
「まぁ、新堂自身が口滑らさなくても、皆に聞いたけどねー。とにかく。」
パシィィィンッ
「うぐぅっ」
「何でもかんでもすぐに人に手を出すのはいけません。
たとえ高藤君に虐めの加害者だって事実があったとしても、
墓穴を掘った、と惣一が顔を歪めるのを見て、風丘は苦笑する。
「まぁ、新堂自身が口滑らさなくても、皆に聞いたけどねー。とにかく。」
パシィィィンッ
「うぐぅっ」
「何でもかんでもすぐに人に手を出すのはいけません。
たとえ高藤君に虐めの加害者だって事実があったとしても、
もし新堂が高藤君を殴ってたら、
それとは別問題で暴力事件として俺は新堂を指導しなきゃいけなくなるんだよ。
分かったー?」
「・・・ちぇっ・・・分かったよ・・・」
パシィィィィンッ
「いぃぃぃってぇぇっ! 強ぇょっ!!」
本日最強の平手をもらって、惣一が体を跳ねさせて反射的に叫ぶ。
「最後に『ちぇっ』なんて言うからでしょー?
追加しないだけ感謝することっ はいおしまいっ」
「う・・・」
せっかく今日は優しめなのに、追加されてはたまらないと、惣一は黙り込んだ。
それとは別問題で暴力事件として俺は新堂を指導しなきゃいけなくなるんだよ。
分かったー?」
「・・・ちぇっ・・・分かったよ・・・」
パシィィィィンッ
「いぃぃぃってぇぇっ! 強ぇょっ!!」
本日最強の平手をもらって、惣一が体を跳ねさせて反射的に叫ぶ。
「最後に『ちぇっ』なんて言うからでしょー?
追加しないだけ感謝することっ はいおしまいっ」
「う・・・」
せっかく今日は優しめなのに、追加されてはたまらないと、惣一は黙り込んだ。
しかしまだ不満そうな表情をしているのか、
風丘はやれやれと、ちょっと困ったように笑って惣一の頭を撫でた。
風丘はやれやれと、ちょっと困ったように笑って惣一の頭を撫でた。
「つばめ君にも言ったけどね。
正義感が強いのも、友達思いなのも、とってもいいことだよ。
正義感が強いのも、友達思いなのも、とってもいいことだよ。
だからあとちょっと、やり方を工夫できるように、次からは考えようね。
惣一君なら出来ると思うよ。」
「っ・・・なんだよ、今日マジで気色わりー・・・」
風丘の優しい手に戸惑いながら悪態をつく惣一に、
風丘はフフッと微笑んで、惣一の頭から手を離すと、惣一以外の3人も含めて言った。
「よし、じゃあこれで4人ともおしまいっ。お疲れ様ー」
「・・・帰ろう。」
「え、う、うん・・・。待って夜須斗っ 先生さようならっ」
惣一君なら出来ると思うよ。」
「っ・・・なんだよ、今日マジで気色わりー・・・」
風丘の優しい手に戸惑いながら悪態をつく惣一に、
風丘はフフッと微笑んで、惣一の頭から手を離すと、惣一以外の3人も含めて言った。
「よし、じゃあこれで4人ともおしまいっ。お疲れ様ー」
「・・・帰ろう。」
「え、う、うん・・・。待って夜須斗っ 先生さようならっ」
「うん、さようなら。」
風丘の終了宣言を聞くが早いかスタスタと歩き出し、部屋のドアから出てしまった夜須斗を、洲矢が追う。
そんな二人に慌ててつばめが声を掛ける。
「ちょっとちょっと! 仁絵と委員長はっ!?」
「ここで待つわけにいかないじゃん。教室で・・・」
つばめに夜須斗がそう答えようとすると、あー・・・と風丘が口を挟んだ。
「柳宮寺はまだしも、宮倉はいろいろ話もあるし、いつ終わるか分かんないから・・・
今日のところは先に帰っててもらえるかな?」
「・・・分かった。行くよ、つばめも惣一も。」
「・・・はーい。」
「ちょっとちょっと! 仁絵と委員長はっ!?」
「ここで待つわけにいかないじゃん。教室で・・・」
つばめに夜須斗がそう答えようとすると、あー・・・と風丘が口を挟んだ。
「柳宮寺はまだしも、宮倉はいろいろ話もあるし、いつ終わるか分かんないから・・・
今日のところは先に帰っててもらえるかな?」
「・・・分かった。行くよ、つばめも惣一も。」
「・・・はーい。」
「・・・あぁ。」
夜須斗は頷くと、まだ部屋から出ていないつばめと惣一を急かすように呼んだ。
夜須斗は頷くと、まだ部屋から出ていないつばめと惣一を急かすように呼んだ。
それに従って二人は部屋を出ようとするが、その時、振り返って風丘に言った。
「分かってると思うけど委員長は被害者だからねっ」
「分かってると思うけど委員長は被害者だからねっ」
「仁絵はまだしも、委員長は怪我してるし部屋初めてだろうし・・・手加減しろよっ」
「クスッ はいはい、分かってるよ。」
「クスッ はいはい、分かってるよ。」
二人に念を押すようにそう言われ、風丘は苦笑しながら返事をした。
その返事を聞いて、ようやく二人は部屋から離れていった。
ピリリリ ピリリリ
4人が部屋からいなくなって数分後、部屋に備え付けの内線電話が鳴った。
「はーい、風丘です。」
“おー、はーくん、今大丈夫か?”
電話の主は連絡を頼んでいた雲居からだった。
「うん、今4人とも帰ったよー」
“お、ちょうど終わったところかいな。お疲れ。”
ピリリリ ピリリリ
4人が部屋からいなくなって数分後、部屋に備え付けの内線電話が鳴った。
「はーい、風丘です。」
“おー、はーくん、今大丈夫か?”
電話の主は連絡を頼んでいた雲居からだった。
「うん、今4人とも帰ったよー」
“お、ちょうど終わったところかいな。お疲れ。”
「うん、ありがとー それで、どうだった? 歩夢君の怪我の具合・・・」
“あぁ、問題はなかったで。やっても平気や。ただ、胸や腹のあたりは・・・”
言葉尻を濁す雲居の暗に言いたいことを察し、風丘は静かに相づちを打つ。
「あぁ、やっぱりそうだよね。
じゃあ・・・膝の上ではやらない方がいいかな。お腹圧迫されるし・・・」
“あぁ、そうや。せやな、そうしてやり。”
「うん。・・・よし、ありがとう。光矢。」
“おぅ、んじゃ、二人送り出すでー”
「うん、お願い。」
“ん、そいじゃ。”
ガチャッ
雲居との電話を終え、風丘は立ち上がって背伸びをした。
「・・・よし、もうひとがんばり。」
背筋を伸ばし、これからやってくる二人を迎え入れる準備を始めるのだった。
“あぁ、問題はなかったで。やっても平気や。ただ、胸や腹のあたりは・・・”
言葉尻を濁す雲居の暗に言いたいことを察し、風丘は静かに相づちを打つ。
「あぁ、やっぱりそうだよね。
じゃあ・・・膝の上ではやらない方がいいかな。お腹圧迫されるし・・・」
“あぁ、そうや。せやな、そうしてやり。”
「うん。・・・よし、ありがとう。光矢。」
“おぅ、んじゃ、二人送り出すでー”
「うん、お願い。」
“ん、そいじゃ。”
ガチャッ
雲居との電話を終え、風丘は立ち上がって背伸びをした。
「・・・よし、もうひとがんばり。」
背筋を伸ばし、これからやってくる二人を迎え入れる準備を始めるのだった。