夫婦はだんだん似てくる。誰が最初に言ったのかわからないけど、我が家も例外ではなく似ているらしい。
自分では、全く似ているとは思えないのだけれど。
まず見た目。
夫は韓国人で、元SMAPのKくんのようなホームベース型の顔の輪郭をしている。私は小学生の頃、お月様と隣のクラスの男子から言われていたほど、典型的な丸顔をしていて、相反する顔の輪郭を持ち合わせている。
次に性格。
夫はどちらかと犬タイプで、いつでもどこでもウェルカムな感じ。一方、私は猫タイプで、自分の縄張りを荒らされることに嫌悪感を抱く。外ではなるべく隠しているが、気分屋にムラがあり、わがままでもある。
夫の座っている横に私が座れば、夫はいつだって嬉しそうな顔をしている。
自分は、今座っているバーカウンターの一席に夫が座ろうものならば、シャーーと彼を引っ掻きたくなるけれど。
「横、空いてるじゃん」と言われても、ねぇ。そこは私の足置き場なのよ。私のパーソナルスペースが大きいのかもしれない。頼むからテリトリーに入ってこないでほしい。
それから食べ物の好み。
夫は韓国人なので、やっぱり辛いものが大好きで、食べ物の大半が赤い色をしている。
🇰🇷料理。トッポギとジャガイモのチヂミ。このあたりの辛さはなんとかいける。
ところが私は、韓国人の嫁でありながら、結婚して10年以上経った今でも、すっごく辛いものが食べられない。
過去に努力はした。努力の甲斐あり、多少の日本的な辛さならいけるようになった。でも、本場の味だとか、中華料理の真っ赤な鍋みたいなものは、からっきしダメ。あくまでこのトッポギはカナダ人仕様だからいける。想像するだけで胃の調子が悪くなる。
結局、いつまで経っても辛いものは食べられるようにならないし、お腹を下しまくるので、食べられないのは体質や遺伝だと言うことをやっと夫は理解した。こうなるまでに10年以上かかった。長い長いシルクロードのような道のりだった。以降、辛い食べ物を強制させられなくなり、晴れて食の自由を手に入れた私。
他にも、私はお肉を食べないし、夫は生魚が食べられない。私に付き合って寿司屋に出かけると、食べられるものがないので、うどんをすする夫である。一方、韓国料理は知っての通り、肉文化。私は大概のものは食べられなくて、気に入った韓国料理は精進料理だった。夫が「これは寺食だよ。坊主にナルか?」と言った。かといって、痩せているわけでもないのは、私が元パティシエだからだろう、、、と言っておく。
キャロットケーキは嫌になるほど作った。
この間、友人とお茶してたら、何かの拍子で大ウケして、夫婦で爆笑した。
それを見て、友人が「笑い顔までそっくり!」と。
四角い顔の食パンマンとそっくりだなんて、前言撤回してほしいと思うが、夫の方はまんざらでもなさそう。なんせ犬タイプなので、何かをお揃いにしたり、偶然何かが同じになったりすると、それはそれは喜ぶ。食事も一緒に食べたいと言う。休みの日に先に起きた私がフレンチトーストを作って1人で食べていると、いつの間にか全く同じものを作って、横に座って食べようとする。下手したら、病院にでも、美容院にでも、お風呂にでもついてきてしまう。猫タイプの私には、夫のこういう行動心理は意味不明だけれど。
それでもなお、周りは私たち夫婦のことを似たもの同士だという。
おやつ好きな夫は、夜な夜なおやつをつまみながらネットフリックスを観る。その時、私は夢の中。犬か猫かくらいに長く寝る私に、ナポレオンもびっくりな3時間睡眠でも大丈夫な夫。テレビを観ながら大喜利の回答を一緒に考える私に、そういった笑いが一切わからず「どこが面白いの?」と首をひねる夫。全然似ていない。絶対似ていない。
夫のお気に入りのおやつ。韓国のネジネジのあげパン。
まぁ、でも、この違いをお互いに受け入れられるのは良いことかもしれない。
夫婦の共通の趣味は好みは違うがゲームとアニメ(キングダム、薬屋のひとりごと)だったりするので、このようなニッチな需要と供給が、我が家のような夫婦を成り立たせているのかも。
違いを愛せるって、実はまずまずの結婚生活なのかもしれない。
作りすぎたフレンチトースト。
抹茶クリームにハニー乗せでカロリー祭り。
夫も同じものを食べていた。