世界最高年齢で太平洋横断!海洋冒険家・堀江謙一氏の通訳 | カリフォルニア 会議通訳・翻訳会社 EJ EXPERT代表のブログ ザ・トランスレーター

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40歳過ぎて専業主婦からプロの同時通訳者と起業家に転身。会議通訳の仕事、翻訳や通訳スキルの習得、通訳翻訳会社の経営、独自のプロ養成コースなど、北カリフォルニアはシリコンバレーを中心に発信しています。

こんにちは、北カリフォルニアの会議通訳者、EJ Expert代表のブラッドリー純子です。

 

先週は3日間にわたり、海洋冒険家の堀江謙一氏の通訳をさせていただきました。


某クライアントからのご紹介で依頼いただいた指名案件でした。



 堀江さんは60年前に日本人で初めて兵庫県西宮からサンフランシスコまで単独無寄港太平洋横断を成し遂げました。ウィキペディアはこちら


当時はパスポートもなく、密出国という形でサンフランシスコに到着後は一旦逮捕され、その後は当時のサンフランシスコ市長にその功績を称えられ、コロンバスもパスポートを持ってなかったということで入国許可が下りたそう。


その航海についての著書はベストセラーになり、石原裕次郎主演の映画にもなりました。

 

とにかく想像するだけでも壮絶な体験だと思うのですが、当時横断に使った実物のヨットを見てびっくり!



べニア板でできた6メートルに満たない、モーターも付いていない小さなボート。太平洋の大波で何度か死にかけた…というのが納得できます。


うちのプレジャーボートはもう少し大きいのですが、湖でも他のボートが横を通って大波が来るとかなり船体が揺れて焦ります。


世界最大サイズの太平洋をこれで超えたなんて...



GPSも衛星電話もない時代。94日間の単独航海で堀江さんが使っていた備品の一部が公開されています。


初代マーメイド号のヨットを設計した横山あきら氏の後継者で息子さんである横山一郎氏も登壇。新マーメイド3号の設計デザインのポイントについて発表されました。


サンフランシスコ市は3月23日をケンイチ・ホリエ・デーと認定。認定書も贈呈されました。


堀江さんはサンフランシスコでは英雄のような存在でファンと見られる方々もおられました。

 

今回で12回目の海洋横断。


出発に先駆けてサンフランシスコの海洋博物館、サンフランシスコヨットクラブでのレセプション、講演、会食、メディア取材等で通訳業務をしました。



なるべくカメラに入らないように気をつけていたのですが、サンフランシスコ・クロニクル新聞誌の記事に私(右手)も写り込んでしまっています。


会場ではいずれもデジタル簡易送信機を使い、英語の挨拶やスピーチを堀江さんに英語から日本語へ同時通訳。


レセプションや講演で堀江さんや横山さんがお話しされる際は、日本語から英語への逐次通訳でした。


普段はビジネスや金融やテック分野の通訳がメインなので


今回は著書の英語版を読んだり、堀江さんが出ているニュース動画や記事は見尽くし、時間をかけて準備しました。


しかし原稿もなく打ち合わせもほとんど無い状態だったこともあって


結構チャレンジングな部分も多くありました。



今回世界最高年齢での太平洋横断ということで日本のニュース番組でも報道されていたようです。



会食でも堀江さんの横についてディナーをご一緒しながら通訳。


サンフランシスコの地ビールを気に入ったと美味しそうに召し上がっていました!


ちなみにサントリーさんがスポンサーなのでビールとウィスキーは70日間分を積んでいます。


名物のサワードーというハードタイプのパンを航海に持って行きたいということだったので、お店で調達して出発前にヨットに積んでいただきました。食べてくれてるといいな〜。


出港式でのスピーチの様子。左が堀江謙一氏、右は通訳中の私です。


西宮に到着するのは6月の予定。エンジンがないのでゆっくりですが、こちらのサイトにてリアルタイムで現在地が分かります。


堀江さんは「ひとりで波がボートに当たる音を永遠と聞くのが好きだ」とおっしゃっていましたが


あれだけ関係者や報道陣に囲まれていた状況から、いきなり太平洋の大海原でひとりになるのってどういう心境なのだろう...


83歳でまたもう一つ夢を叶えるってどういう気持ちなんだろう...


色々と考えながら無事を願いつつ現在地を確認しています。


[後半に続く]





出版・メディア掲載

 

 
通訳翻訳ジャーナル2022年春号の特集『未来を切りひらく通訳・翻訳の仕事 Vol.1 宇宙開発』の記事が掲載中!SpaceXや天体物理学者のニール・ドグラース・タイソン氏の同時通訳をした時のエピソードや今後の宇宙産業分野の通訳需要について3ページにわたって書いています。

 

イカロス出版から書籍 『通訳の仕事・始め方・続け方』 (通訳翻訳ジャーナル編集部・日本会議通訳者協会) が好評発売中。

 

私も共同執筆させていただき、リモート通訳、さらに録音同時通訳についての特典動画を担当しています。
 
 
 

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