高校野球を見ているとき、どのチームだか忘れてしまったんですが、アナウンサーが「このチームは素振り1000回をこなして打撃力を強化してきたそうです」と解説してました。
私は、そんな解説を聞きながら「スゴイ!!」と思うことも、「めちゃくちゃ努力したんだなぁ」と思う事もなく、仕事柄「素振り1000回の運動における目的は?効果は?」という方が気になりました。
素振り1000回を「運動の効率」という側面で考えた場合、果たして効果的なのかと言われれば、私は少々疑問が残るんです。
真っ先に気になるのは、
・回数における疲労や痛みに伴う代償運動。
・同じ動作が他の動作の強化と完全にイコールにならない状況。
でしょうか。
1000回の素振りを想像してみてください。
600回とか800回の素振りをしている時点でどうなってます?
コーチや監督にこう言われるんじゃないでしょうか?
「もっと鋭く振れ!!」
「ヘッドが下がってるぞ!!」
「根性で振れ!!」
とね。
代償運動を元に考えてみれば、こういった状況に陥ってる時点で、それ以上の素振りに何の意味も効果も見出せないんです。
その時点で素振りを終了させたほうが選手の故障も少なく、限られた時間を他の運動に回せる利点から考えても無駄以外の何ものでもないです。
高校野球の場合「限られた時間」という問題があるので、練習の質についてもっと考える必要があるのではと思います。
何が言いたいのか?
「1000回の素振りといえば野球の話しだし、私は別に野球をしていないから関係ないや」
この記事を読まれている方でも、こう思うのではないでしょうか?
しかし、視点を変えてみてください。
「ある動作」における許容範囲を越えた状況では、体や動作にどの様な変化が起こるのか?
この様に置き換えてみます。
この時点で「ああ!なるほど!」となれば、柔軟な思考の持ち主。
本当はここでお話を終えて、「後は気付く読者が気付けば良い」というのが私のクオリティなんですが・・・
今回は患者さんの質問に答えるのと同時に、離れた娘さんにも見てもらうという事なんで、話を続けていきます。
「ある動作」というのは、
今回のお話の場合、「素振り1000回」がそれに当たります。
この「素振り1000回」を他の動作に置き換えて考えてみてください。
・歩行
・立ち仕事における時間
・長時間座り続ける
・・・
という様に、様々な動作に置き換える事が出来ますよね。
だとすれば、その動作が許容範囲を越えてしまう事でどうなるのかと考えてみてください。
許容範囲を以下に示します。
・1000回の素振りにおける体や動作の変化
・5時間歩き続けた事による体や動作の変化
・8時間立ち仕事を続けた事による体や動作の変化
・10時間エコノミーシートに座り続けた事による体や動作の変化
ここまでくると、みなさんの実体験を元に答えを引き出せるのではないかと思うんです。
高校野球をされている選手へ
今回のお話を元に、
・前田健太投手の投げ込みを基本行わない意味
・ダルビッシュ選手が無理な走りこみを否定した理由
などを考えてみてください。
ネットで調べると色々と出てきますよ。
質問をしていただいた患者さんへ
庭作業は「ある動作」に当たります。
許容範囲とは、今回の質問の場合「2時間程度の作業時間」となります。
「ある動作」における許容範囲を越えた状況では、体や動作にどの様な変化が起こるのか?
今回のケースでは、腰・臀部に痛みが出たという具合です。
じゃあ、許容範囲についてもう少し考えてみてください。
例えば、
5分間の庭作業だったとしたらどうでしょうか?
痛む可能性なんて考えられないでしょう?
じゃあ30分だった場合は?
1時間だった場合は?
1時間30分だった場合は?
・・・
だから私は、庭作業を2時間した事が「悪」ではないですし、「次回からは控えたほうが良い」と捉えるは間違いだとお話したんです。
選択肢は以下になります。
・次回からは庭作業は控える。(これは間違った考え方とお話しました)
・次回からは1時間でやめる。
・2時間で悲鳴をあげないためにどうあるべきかを考え実践し、次回に望む。
どれが正しい答えなのかは、もうおわかりですね。
ここに考えが到達したとき、初めて実践についてお話が出来る用意が整ったということになるんです。
※同じ動作が他の動作の強化と完全にイコールにならない状況については、機会があれば書きたいと思います。
<各目次>このお話は1話で完結です
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