*『切らないのが当たり前なんだよ!』


その言葉が何れほどまでの破壊力を持つか
*は分かっているかな?
その言葉の発信源が*だからそれは余計に…。


分かってる。
僕がフツーじゃないってことくらい。
僕のしているコトは異端だ。
僕の左腕はフツーの人からしたら
酷く異様なモノに映ってるってことだって
ちゃんと知ってる。




腕を晒して
街中を歩くときに
突き刺さる視線が痛いんだ。
(被害妄想半分ってことは重々承知)


流れる視線が
一度、僕の左腕の辺りで止まって
それからその人の表情が一瞬引きつるんだ。
それってね、
結構ショックなんだよ。
まぁ、僕がリストカッターである以上
仕方のないことだけど。


…分かってる。
僕は、おかしい。






ごめん。
こんな僕で。
ごめんなさい。
昨夜、父親に
僕がリストカッターであることを伝えた。


彼は…驚いた風もなく、
ただ僕の話を真剣に受け止めてくれていた。
僕は、
理由や感情などは言わずに
事実だけを打ち明けた。




はる『…気付いてたよね?』


彼は僕の質問に肯定する。
嗚呼、僕は今まで
どれだけこの人に心配を掛けてきただろう。
僕の存在はどれ程に負担だったのだろう。


本当に申し訳なくて
少し泣きそうになった。
週末、
3日連続で似たような夢をみた。


悪夢…なのかな?
自分が複数の人から暴行を受ける夢。
特に恐怖など無くて、
『非道い事をする人達だな。』
と、自分のことなのに
酷く客観的な感情を抱いていた。


僕に乱暴をする人達は
みんな違う背格好なのに、
僕にはみんな同じ人に見えた。
僕はその人を知っている。
だって彼は…。




別にね
その夢自体はどうってこと無いんだ。
僕自身、その夢に大した感情も抱いていない。


だけど、
土曜の夜。
僕が酔い潰れた日。
僕は記憶がとぶタイプの人間では無いのだけど
その時僕は夢現の状態で、
僕を労ってくれるその手を
夢の人達のと判別できなかった。
僕は優しい手を
至極冷ややかな気持ちで受け入れていた。


きっと気付かれてはないだろうけど。
気付いてしまったら
またスゴく気にしちゃうんだろうな…。