【書籍】喋り屋いちろう | ~‡コキュートス‡~

【書籍】喋り屋いちろう

(−A−)という事で…

今回紹介するのは、一風変わったこちらの小説(?)。

■'24.4/4 読了

『喋り屋いちろう』

古舘伊知郎 著

(2023年7月31日 第1刷発行)


(−A−)○

かつてゴールデンタイムで毎週放送されていたテレビ朝日『ワールドプロレスリング』での実況でアントニオ猪木と新日本プロレスを盛り上げ、プロレス実況を離れてからも2022年10月1日に猪木が逝去するまで近しく交流があったという古舘伊知郎が著した「世界初の実況文学」☆



( ̄ー ̄)と言われましても…


多分意味分かんないですよね。何だよ、実況文学って⁉…みたいな(笑)


↓こういう事らしいです。


↓著者の古舘伊知郎さん。こう言っちゃなんですが、テレビ朝日の局アナ時代の野暮ったさは消え失せ、いい感じに歳を重ねて格好良くなりましたよね◎


(−A−)とりあえず目次を書きますと…


プロローグ

超人としてのアントニオ猪木

そして、アナウンサーになる

そればかりか、猪木・アリの真実を聞きながらイカタコ

なんと、美人アナに逆ナンされる⁉

というわけで、初めての放送で背中が痺れる

にもかかわらず、先輩たちから "可愛がられる"

そんな中、実況 "電車道"

夢を織りなす者としてのアントニオ猪木

ともあれ、バカウケして運命の男に会う

なんだかんだで、サトさんの舎弟になる

いろいろあって、越乃寒梅を6本かつぐ

しかしながら、四次元から来た男を過激に実況

いわば、あの人の一言が人生を変えた

それはそれとして、超過激実況アナウンサー誕生

ただひとり歩む者としてのアントニオ猪木

ところで、同期の女性アナウンサーに刺激を受ける

しかも、中継失敗からの天国

とはいいながら、失神した猪木さんに "道" を教わる

それにしても、「売れたい」パワーの炸裂

考えてみれば、売れ始めて有頂天

ただし、革命戦士と "馬鹿の一本道"

ところが、自分の小ささに自分が嫌になる

敗れざる者としてのアントニオ猪木

ちなみに、アンドレとパチンコを語る

むしろ、売れてきてアダルトビデオまで

思えば、手を開かなければ新しいものはつかめない

だから、屋上のお稲荷さんに祈願する

やっぱり、小さな会社が船出する

それでも、哀しいお別れ

エピローグ


(−A−)↑な感じなんですが…

"実況小説" なんて言うから「古舘さん独特の実況をしてるような語り口で書いた小説かな?」と思ったんですけど、そういう事ではなく…

唐突に(?)猪木vs誰それの実況風の文章や、話の流れ(実話?)の中で実際に(?)実況風に喋った内容だったりが、話の途中途中で太字のフォントで出てくるという形ですね。

そういう意味では、"世界初の実況小説" という売り言葉からするとちょっと期待外れというか、予想と違ったというか…まあ、普通の小説と大差無いんじゃないかなと(苦笑)

…失敬。(汗)


(−A−)本書は…

アントニオ猪木の逝去があったからこそ書かれたものではありつつも、所々の局面で猪木さんとのエピソードは出てくるものの、あくまで主人公は『いちろう』こと古舘伊知郎であり、古舘さんの半生の内「テレビ朝日を退社して独立するまで」が描かれた "古舘伊知郎の若き日の自伝的小説" と言ってよいかと思います。


なので、以前紹介した元永知宏 著『トーキングブルースをつくった男』を合わせて読むと「あ、これ、あの人か」等々、更に情景が拡がるかも知れません。









あくまで "小説" という "てい" を取るためか、テレビ朝日が六本木テレビだったり、先輩アナウンサーの舟橋慶一さんが舟越英一になってたり、その他微妙に変えてある人物名や名称が使われてる一方で、本当の名前や名称をそのまま使って書いてる人や物もあったりで…そこはどちらかに統一した方が良かったんじゃないかなあ。と思いました、はい。

それはさておき、まだ実況を始めたばかりで憧れのアントニオ猪木に話しかける事も出来なかった頃の古舘さん。道場で突然「奮い立て!」と猪木さんがアントンジョークをかましてきたというエピソード…いきなり新人アナに微妙な駄洒落?をかましてくるアントニオ猪木(※ちなみにその時、古舘さんはいつもの "ご挨拶" でストロング小林に股間を握られていた・笑)も、それを聞いて「オレはお前の名前を知ってるし、オレたちの仲間だと猪木さんが言ってくれたんだ!」と解釈して感動に震えたという古舘さん、どっちも最高だよな(爆)